プレゼン大会に審査員として参加いただく特別ゲストの紹介です。おすすめ本をご紹介いただいています。
株式会社TAM アートディレクター
日本デザインセンター、コーセー化粧品宣伝部、ワーナーミュージックジャパンを経て、現在 株式会社TAMにてアートディレクターとして活動。描いて伝える「えがこう!」を主宰し「地獄のお絵描き道場」をはじめ、子供向けのイベントや法人向けの研修を行う。講座の総受講者は5000人以上。早稲田大学 WASEDA NEO講師。講演やグラフィックレコーディングは経済産業省、内閣府男女共同参画局、日本経済新聞社、立命館大学、ヤフーなど多岐に渡る。著書:『なんでも図解』(ダイヤモンド社)
メールやチャットで伝える時、どうやったら相手の時間を奪わず的確に伝えられるのか?と悩ましい時はありませんか?この本はそんな悩みをズバッと解決してくれます。オンラインコミュニケーションが主流で、テキストでのやりとりが頻繁なIT業界では、言葉でのより良い「伝え方」を学ぶ機会が減っているのではないでしょうか。「短く」「魅力的に」(気遣いをこめて)伝えるポイントがわかるこの本は、たくさんの方にお勧めしたいバイブル。私も後輩の皆さんに勧めています。
「ユーザーのニーズを捉え、困っていることを探って、アイデアを創出する」、そんな思考プロセスを知るのにおすすめの1冊です。この本のボリュームに圧倒されるかもしれませんが、「変異とは壮大はボケで、適応は壮大なツッコミ」、などの言葉に現れているように、難しいことがやさしく表現されていて、開いたところから楽しめる本。仕事でも使える50個の「進化ワーク」がも圧巻です。
脳を自分モードにして「自分は何をしたいのか、するべきか」を考えてみたい時、必ず道を照らしてくれるのがこの本。「自分なりの意味」を創りだすための方法、エクササイズが具体的に書かれています。テクノロジーの先の幸せを考える時、根拠のない妄想こそ大きなヒントになるかもしれません。「それはただの寝言だ。まず根拠を示せ!」と一蹴された時、いや、される前に、ぜひ読んでみて欲しい本です。
プログラマ、テスト駆動開発者
学生時代にソフトウェア工学を学び、オブジェクト指向分析/設計に傾倒。執筆活動や講演、ハンズオンイベントなどを通じてテスト駆動開発を広めようと努力している。
『プログラマが知るべき97のこと』(オライリージャパン、2010)監修。『SQLアンチパターン』(オライリージャパン、2013)監訳。『テスト駆動開発』(オーム社、2017)翻訳。『Engineers
in VOYAGE』(ラムダノート、2020)編者。テストライブラリ power-assert-js 作者。
Twitter: @t_wada
GitHub: @twada
マイクロサービスを新しいもの、無条件に良いものと捉えず、そのデメリットや採用判断条件を示し、既存システムを捨ててゼロから書き直すのではなく段階的に移行していく手段を示した誠実さが際立つ名著です。問題は何なのかを明確化してから、モノリスをマイクロサービスに分解していく様々な手法や手順を記しています。コードの分割だけでなく、最も難しい問題であるデータベースの分割手法に取り組んでいる点も高く評価できます。
データモデルとデータ構造、それを格納するストレージ、前方/後方互換性を持ったスキーマ定義、レプリケーションとシャーディング、分散トランザクションの問題、一貫性と合意アルゴリズム、バッチ処理とストリーム処理など、大量のトラフィックと大量のデータを扱う現代の分散システムを構成する要素一つ一つに対して詳しい説明を行い、分散システムの本質的な難しさに正面から立ち向かって解説しています。分厚く歯応えのある大著であり、分散システム設計の教科書のような存在です。
エンジニアリング文化改善の根拠となるデータを示し、技術プラクティスの実践が経営的な成果につながることを示した名著です。ソフトウェアデリバリのパフォーマンスと企業のパフォーマンス(収益性、市場占有率、生産性等)には因果関係があることを科学的な調査によって証明しました。デリバリのパフォーマンスを測る4つのキーメトリクス(リードタイム、デプロイ頻度、MTTR、変更失敗率)とパフォーマンスを高めるための24のケイパビリティを定義するなど、業界の議論を大きく前に進める役割を果たした名著です。
2000年に出版された『達人プログラマー』は世界中のプログラマーのキャリアに大きな影響を与えた歴史に残る名著でした。20年ぶりに改訂された第2版では内容の1/3が新規に書き下ろされ、既存部分もほとんどリライトされました。技術的な詳細も最新の内容にアップデートされたため、若手にも安心して薦められる本になりました。ベテランにとっては20年の時を経てより洗練された達人の心得が非常に印象深く、初版には書かれていない「よい設計の本質」「アジリティーの本質」は必読の内容です。