お久しぶりです。新入社員の門松です。この3ヵ月間、私も先輩方と一緒に毎日「カタカタカタ」を奏でてきました(正確には「カ…タカタ…カタ」)。今日は実務を始めたわたしから見た、「編集」の仕事についてお届けします。よろしくお願いします。
みなさん、この表紙、かわいいと思いませんか。
パパッと出せるデジカメ年賀状2013
編集部に配属されて1番はじめに携わった本が、できあがったのです。できたてほやほやの本をいただいた9月末日。にやにやしながら最初から最後まで目を通し、机の棚に飾りました。しかし10分に1度は手に取ってしまうので、棚の一番端にしまいました。
ところが今度は目の端にずっとちらりと入るので、にやにやしながらまた3周ほど堪能し、これはいかんと鞄に封印します。帰りの電車で待ちきれず、鞄の中で隠しながら一人楽しみ、家に帰ってもまだ足らず、ベッドの上でまた堪能。翌朝も表紙を眺めてにやりとし、浮かれた心で出勤しました。本が、できました。
にやにやが溢れ出る1日
さて、この表紙、代々木のかわいい小さなカフェの2階で撮影したのですが、この2階、1mほどの廊下に4畳くらいの小さな部屋。ここに8人で挑んだのが、7月下旬真夏日。あの日、この表紙の部屋の奥にはカメラマンさんとアシスタントさんを除く汗だくな大人が6人、息をひそめて立っていました。
ワンカット終わるごとに家具も人間も大移動。ワンカット終わるごとに汗まみれ。この日わたしは、床に近いところが1番涼しいことを学びました。
そしてもうひとつ学んだ、カメラマンさんとデザイナーさんの良い物をつくるための徹底したこだわり。1mm単位で小物の向き、机の位置などを決め、ベストな状態をカメラに納めます。自分の鼻息で彼らがセットしたハガキが動くのがこわくて息を思わず止めるくらい、細かい細かい調整です。まさに仕事人でした。
8人の汗だくな大人
仕事人。この3ヵ月でもう1冊、先輩方におんぶに抱っこされながら(夢で先輩に質問するくらい。1日で一番多い発言単語が先輩の名前になるくらい)、なんとか無事に入稿できた本があります。
その本で出会った著者さん、編プロさんも、まさに仕事人でした。主にわたしが担当したのは修正を赤ペンで編プロさんにお願いする「校正」という作業だったのですが、いざやってみると意外と難しい。
端的に表現できず「これをあそこのそっちに入れてあっちのここをこっちに入れてください」みたいな表現になるのです。そんなわたしにとって、著者さんの赤字は教科書でした。「トルツメ(取って詰める)」「イキママ(そのまま活かす)」という言葉以外はほとんど線と数字だけ。
一生懸命まねしました。「このページ、文と図多くなりすぎたな、大丈夫かな……」と心配していると今度は編プロさんの出番です。無駄な部分をそぎ落として、ビシッときまった紙面を出してくれます。たくさんのプロたちがそれぞれの立場で細かいところまでこだわって、1冊の本ができあがるのだと再認識したのでした。
入稿後、自分の机を見ると使い終わった赤ペンと蛍光ペンが2本ずつ。そして積み上げるとそのペンの長さを超えそうな赤字の入った紙の束。本が、できました。『ホームページ・ビルダー17 スパテク125』。スパッと簡単に本格的なサイトがつくれるスーパーテクニックが125個と、本づくりのプロたちのこだわりが、ぎゅっと詰まった1冊です。ぜひ、ご覧ください!
赤字原稿とペン