7月末に『HTMLタグ辞典第7版+CSS』が刊行されます。『HTMLタグ辞典』は初登場の1996年から続くロングヒット書籍です。ほかにも『スタイルシート辞典』、『JavaScript辞典』、それらを合わせた『ホームページ辞典』などの兄弟がいくつかあり、シリーズとしてもご長寿で、翔泳社の看板商品のひとつになっています。
長寿シリーズのご紹介という主旨なので、お約束ではありますが、タグ辞典の歴史をちょっとひもといてみましょう。最初のタグ辞典は『最新HTMLタグ辞典』という名前で1996年にモノクロの紙面で登場しました。対応ブラウザはNetscape Navigator3.0とInternet Explorer3.0……時代を感じます。当時はまだHTML3.0/3.2でした。
1996年の初代タグ辞典! 装丁デザインにも時代を感じます……
続いて1997年『改訂版HTMLタグ辞典』、そして1998年、お値段すえおきで全ページをカラーにした『カラー版HTMLタグ辞典』。インターネット・ブームの波にも乗ってこれが大ヒットしました。
この頃はまだ標準化という概念は皆無で、各ブラウザが競って独自路線を邁進していました。環境ごとに対応や表示が異なるので、それを考慮しないと適切なWebページを制作できず、『HTMLタグ辞典』のような本が必須だったワケです。
この後も主要なブラウザがバージョンアップするタイミングで改訂を重ねましたが、書名が混乱してきたのでこれ以降は『HTMLタグ辞典第4版』(2001年)のように数字を冠した書名になり、今に続いています。
HTMLタグの解説本は世の中にたくさんありますが、見やすさ引きやすさわかりやすさでは、本書が一番と自負しています。要点をおさえたサンプルコード、それをベストな状態で比較できる画面キャプチャやキャプション、著者と編集者の努力は当たり前のこととして、さらに読者の方からの問い合わせや要望を反映し続け、今の形になっています。
実は、以前の版にはささやかなお楽しみがありました。サンプルコードに使われている例文が面白いのです。「ブルータス、お前もか!」「目黒××館の据え付けの椅子はジャマ!」「カレーにジャガイモは合わない」……掲載されている画面キャプチャをよく見てみると、そういうことが書いてあるのです。
著者のアンクさんが「これを考えるのが大変」とおっしゃっていましたが、このセンス、密かに大好きでした。最近の版ではそういった記述はほぼなくなってしまい残念なのですが、同じ方が執筆しているので皆無ではないはず、探してみてください。
さて、『第7版』には「みんな持ってる定番辞典」とキャッチコピーをつけました。“持ってるから買わなくていい”ではなく、カラー版を使った方も第4版を使った方も、さらに使いやすくなった『第7版』をこの機会にぜひ手に取ってみてください!
うすい