『おうちで学べるネットワークのきほん』は、2012年4月の刊行以来、順調に増刷を重ね、おかげさまで5刷目となりました(2014年6月現在)。皆さまありがとうございます!
担当編集として、この本が売れたのはスゴく嬉しかったんです。なぜか?「みんな僕と同じじゃん」と思えたからです。
僕には昔から、腹に据え兼ねていることがありました。書店に行くと、「誰でもわかる●●入門」「いちばんやさしい●●の本」……そんなタイトルの本をよく見かけますよね。「サルでもわかる」とかね。
僕も買ったことあります。で、読んだ後にこう思うんです。「わからねぇ」と。誰でもわかるんじゃないのかよ! 僕はサル以下ってことか? ナメンなよムキー!……という腹立ち。この怒り、僕だけですか?
でも、思ったんです。これは本が悪いわけではない。もちろん僕がサル以下であるわけでもない。なぜなら、この手の本をよく読むと、確かに丁寧に解説してくれてるからです。むしろ「これ以上やさしく書けない」というくらい噛み砕いて説明してくれてます。
では、なぜわからないのか? 昔の人が良いことを言ってます。「百聞は一見に如かず」。……これだ! 説明してわからないなら見せればいいんだ!
『おうちで学べるネットワークのきほん』は、そんな僕の妄想から生まれました。
ネットワークの知識って、技術者だけでなく、一般企業の新入社員や営業マンにとっても必要だったりします。僕自身も何冊か入門書を読んだことがあるのですが、「IPアドレスとは、PCやサーバなどTCP/IPで通信する機器を識別するためのアドレスのことです」なんて書かれても、何だかよくわかりませんでした。
そんな僕のような読者を納得させるには、「実際に見せる」しかない。そこで著者に、「ネットワークの設定を自宅PCで確認しながら学習できる本を書いてほしい」と頼んだわけです。仕上がってきた原稿は、読んでてとても楽しいものでした。
ナニナニ、「PCでコマンドプロンプトを起動して『ipconfig/ all』と入力すると、そのPCのIPアドレスを表示できる」だって?
実際にやってみました。確かにIPアドレスが表示されました。「IPアドレスってお前かぁ!」と思いましたよ。これを見ると、「IPアドレスとは、PCやサーバなどTCP/IPで通信する機器を識別するためのアドレスのことです」という説明が腑に落ちます。素晴らしい! ワンダフル! ビューティフル! めんそーれ!
『おうちで学べるネットワークのきほん』を作っているときは、そんな喜びの連続でした。
一方で、「読者にも僕と同じように喜んでもらえるだろうか?」という心配はあったのですが、冒頭に触れた通り、多くの皆さまに受け入れてもらうことができました。なんだ、みんな同じじゃん(嬉)!
もし「ネットワークの入門書を読んでもよくわからなかった」という人がいたら、ぜひ本書をご一読ください。「百聞は一見に如かず」って本当のことだ、と実感できますよ。
いしはら