現実世界の回路を、Webの世界から制御しよう!|翔泳社の本
  1. ホーム >
  2. コラム >
  3. 現実世界の回路を、Webの世界から制御しよう!

現実世界の回路を、Webの世界から制御しよう! 2014.10.03

 みなさん、Raspberry Pi(ラズベリー・パイ)をご存じでしょうか? Linuxが動く名刺大の安価なワンボードPCで、ここのところ人気を集めています。小さなLinux PCとしても大変魅力的なのですが、私としては、なんといっても電子工作への応用がアツイと思います。

 Raspberry PiにはGPIOという入出力端子が備えられているのですが、これに接続した電子回路をプログラムで自由に制御できるのです。ソフトウェアとは異なり、電子工作ではプログラムの実行結果が物理的な電子部品の挙動として現れます。物理的な挙動――たとえばLEDの点灯を制御するだけでも、感動を呼び起こすほどにインパクトがあります。

 しかも、Raspberry PiはLinuxマシンなので、ネットワークの設定なども比較的簡単に行えます。Webプログラミングの知識があれば、インターネット越しに電子回路を制御することもそれほど難しくありません。

 ところが、Raspberry Pi自体は扱いやすい環境だとしても、電子回路を作る上では電気のことをまったく知らないわけにはいきません。でも、学校の物理の授業のように電気のことをイチから勉強するのも正直シンドイ……。そこで! 電子工作をしながら電気のことも学べたら二度おいしいのでは、と考えて『Raspberry Pi電子工作レシピ』を企画しました。

 執筆をお願いした河野悦昌さんは、初心者向けセミナーを開催していて、初心者がつまずくポイントを熟知しています。しかも、電子工作の知識も豊富で、Raspberry Piを活用するための基板なども独自に開発しています。  本書にも、ブレッドボードとの接続を助ける基板を添付してもらいました。使うには少し工作が必要ですが、本書の内容を読みながら作れば、それほど難しいことはありません。

 書籍の中では、電気や電子工作の基礎知識をカコミ記事で解説して、わからない言葉をわざわざ調べなくても読み進められるように工夫しました。付録も充実しており、はんだごてやテスターの使い方、オームの法則などが学べるオトクな内容になっています。

 取り上げている作例は、リモート鍵やデジタルサイネージ、ラジコン、リモートカメラ、電子楽器やゲーム筐体など、バラエティに富んでおり、それぞれの作例で学んだことは、自分で作例を考えるときの参考になることでしょう。

 おりしも、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)という言葉を目にすることが多くなりました。あらゆるモノがインターネットに接続されるようになり、それらが相互に情報交換したり、操作したりといったことが可能になるというものです。この機会にRaspberry Piを使って、IoTにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

おがわ

関連書籍

Raspberry Pi電子工作レシピ

河野 悦昌

2,980円+税