iPhoneやAndroid端末といった「スマホ」の登場によって、年齢を問わず誰でも何時でもゲームを楽しめるようになりました。
特に人気があるのが「カジュアルゲーム」。カジュアルゲームとは、簡単な操作・短い時間でプレイできるゲームのことで、鳥を操作して障害物を避けながら空を飛行するFlappy birdなど数多くの人気2Dスマホゲームが登場しています。
この2Dカジュアルゲームの開発に拍車をかけたのが、Cocos2d-xやUnity、Corona SDKといったゲームフレームワークの登場です。これらゲームフレームワークを使うことで、2Dスマホゲームが比較的簡単に作れるようになりました。ご多分にもれずAppleも、2Dゲームアプリ開発用のゲームフレームワークをiOS 7で追加しました。それが「SpriteKit」です。
2Dゲームでは、味方キャラや敵キャラなどゲームに登場するさまざまな平面物体(画像)を動かす必要があります。SpriteKitでは、画像をスプライトと呼ばれる要素として扱い、このスプライトにアニメーションを付加して動かすことができます。
物理エンジンも提供されており、重力や物体同士の衝突を再現できるほか、炎や火花など不規則な動きを再現するパーティクルという機能も利用できるのが特徴です。
また、Appleは、2014年のWWDC2014(Appleの開発者向けイベント)で「Swift」という新しいプログラミング言語を発表しました。それまでiOSアプリ開発言語であったObjective-Cは初心者にはなかなかとっつきにくい言語でしたが、Swiftでその障壁を下げようとしています。
「Swift言語とSpriteKitフレームワークを使えば、簡単に2Dカジュアルゲームが作れるよね」、そんな発想から生まれたのが『SpriteKitではじめる2Dゲームプログラミング』という書籍です。
2Dゲームには、「物体(ゲームキャラなど)をアニメーションで動かす」「重力や反発・衝突といった物体の動きを物理シミュレーションする」「マップを描画する」「敵キャラのAI(人工知能)を作る」「衝突・爆発などのエフェクトを付加する」など、共通的なテクニックがあります。
この2Dゲーム開発テクニックを、積み上げゲーム、横スクロールアクション、ピンボール、ジャンプゲーム、ドットイート、リバーシといった人気6ジャンルのゲームを作りながら学ぶのが本書の特徴です。
SwiftとSpriteKitという組み合わせで、これまで初心者には敷居の高かった2Dゲームアプリ開発が驚くほど簡単になりました。SpriteKitはApple標準のフレームワークなので、Xcodeをインストールするだけですぐに開発を始められます。
これまで、ゲームアプリ開発やゲームフレームワークに興味はあるけど難しそうと避けていた方も、この機会にぜひSwiftとSpriteKitでゲームづくりに挑戦してみてください。
かたおか