日常業務に潜む「悪魔のプレゼント」
ユニコーンの曲「大迷惑」は、係長から単身赴任という「悪魔のプレゼント」を受け取ってしまうところからストーリーが始まります。しかし現実には、単身赴任よりももっと頻繁に毎日会社の中を飛び交う「悪魔のプレゼント」があります。
それは、Excelファイルです。
Excelは、ビジネスでもっとも利用されているアプリケーションのひとつです。もちろん便利だから使われているのですが、同時にさまざまな混乱を招き、業務効率が悪化する原因となっていることも事実です。
例えば……
- 業務を引き継いだ際にExcelシートを受け取ったが、どこに計算式が入力されているかわからない
- Excelに詳しい人が売上管理などを一手に担っており、他の人が編集できない
- ファイル間でデータを参照していることを知らず、参照元のファイルを削除してしまう
このようなExcelファイルの扱いに手間取って仕事がはかどらず、帰りが遅くなったことのある人も多いのではないでしょうか。
また、Excelと言っても人によってスキルがまちまちのため、足並みをそろえて仕事を進めることが難しいという問題もあります。使い方によっては、情報流出の危険性もあります。だからといって、Excelを使わずに仕事ができるでしょうか。「大迷惑」の歌詞を引けば、「二度と出られぬ蟻地獄」かもしれません。
自分にも周りにも「迷惑をかけない」ために
これらの問題を解決すべく、『迷惑をかけないExcel』は刊行されました。ここで重要なのは、Excelの特徴を理解することです。本書では、Excelを3つの要素と、3つの処理に分けて考えることを勧めています。
例を1つ挙げると、入力(データを打ち込む)作業と、出力(紙に印刷する)作業を、同じシートでは行わないようにします。別々の性質を持った作業を1枚のシートで行うといろいろな無理が生じてしまうため、分けて行おうという考え方です。
Excelの利用に対する考え方を変えることで、業務効率は大幅にアップします。「大迷惑」は「帰りたい 帰りたい……」と連呼して曲が終わってしまいますが、『迷惑をかけないExcel』を読めば、サクサク仕事が終わって、定時退社も夢ではなくなるはずです。
最後に、「迷惑をかける」Excelチェックリストを掲載します。ぜひ、自分のシートを点検してみてください。
あなたは大丈夫?「迷惑をかける」Excelチェックリスト
- 1つのセルに複数のデータを入力している
- 1件分のデータを複数行にわたって入力している
- 入力も計算も印刷も同じシートで行っている
- 計算式を見えないようにしている
- たまたま知っている難しい関数を使っている
- 数値も日付も同じ表示形式にしている
- 参照式を別のセルにコピーしている
- 参照元のセルが非表示になっている
- セルの結合を多用している
- グラフを消すときに行や列ごと削除している
はた