ふだんITシステム開発に携わっているエンジニアのみなさんは、「ビジネスのルール」を考えたことはありますか?
例えばスポーツには、基本的なルールがあります。野球なら「ピッチャーが投げてバッターが打ち、ベースを回る」とか、サッカーなら「足でボールを運び、相手のゴールに蹴り込む」といったものですね。
スポーツはルールに詳しい人のほうが圧倒的に有利です。何ができるのか、何をどこまでやってよいのかを自分で考え、判断できるからです。これらルールを理解し、上手にこなすことで、試合に勝てるばかりでなく、プレイすることがどんどん楽しくなっていきます。
ビジネスを対象としたITシステムの開発でも同じです。
世の中には大小いろんなビジネスがありますが、
- (1) お客に提供する何かを用意する
- (2) その何かをお客に提供する
- (3) 提供した代価をお客から頂戴する
という流れは共通のルールです。
細かく言うと、受注、出荷/売上、請求、発注/仕入、在庫管理などがありますが、基本ルールを理解しないままスポーツをしても上手くプレイできないのと同じで、システム化対象のビジネスを理解して開発するのと、知らないで開発するのとでは、仕事の進めやすさや成果に大きな違いが出るでしょう。
ビジネスのルールである「業務知識」を理解することで、それらを応用することができ、仕事のアイデアや実現の幅がぐーっと広がるはずです。
2016年2月刊行の『グラス片手にデータベース設計 販売管理システム編 第2版』は、こうした業務知識に基づくデータ/データベースの設計を、開発者の視点でやさしく解説した本です。
システム開発では業務知識を理解するだけでなく、それをデータの流れに落とし込む必要がありますから、データベースをどう設計するかも重要です。通常業務の中で学ぶ機会は少ないですから、本書は実務でも参考になる部分が多いと思います。
また、本書は13年半ぶりの改訂ということで、業務のやり方やトレンドが変わった部分をアップデートしたほか、大きく成長したインターネットを活用したビジネス(ECやオムニチャネルなど)も、新章として解説を追加しました。巻末の用語集や、ダウンロード提供しているデータベース設計も更新されています。
既存システムの改築はもちろん、新規事業やスタートアップなど、これからビジネスとそれを支えるシステムを開発していく人にとって、ヒントが盛りだくさんな本になっています。
せっかく開発に参加しているのであれば、何をするシステムを作っているのかが分かったほうがウン10倍も楽しいですよね。本書を読んで、あなたも業務システム開発をレッツ・エンジョイ!
いちご