世の中では、耳にタコができるくらい「少子高齢化」とか「社会保障となんとか」とか叫ばれていますが、そうした話は、みなさん、もうアキアキしているかもしれません。
とはいえ、日本がすでに「およそ4人に1人が65歳以上」という超高齢社会に突入しているのは事実でして、これからますます高齢者は増えていきます。ただ、見方を変えると「高齢者」はこれから間違いなく拡大する市場なんですね。
ということで、弊社でも4年ほど前から福祉・介護系の本を作りはじめました。「スタートは資格書から」ということで、まずケアマネジャー、社会福祉士、介護福祉士の3つの資格の本を出すことになり、私はこのうち「社会福祉士」を担当することになったのです。
今年で3回目の改訂! 福祉教科書シリーズ
「本作りなんて、どれも同じでしょ?」 そう思われるかもしれません。しかし、はじめの頃は、本当に苦労しました。弊社はIT関連書を得意とする会社ですし、私自身ずっとIT系に携わってきた人間です。福祉だの介護だのなんて、まったく右も左もわからないテーマです。
まず、著者さんとの打合せで話に出てくるキーワードがわからない。たとえば、「シャキョー」なんて言葉が出てくるのですが、これは社協(社会福祉協議会)のことだと、あとで調べてわかるわけです。そんな感じなので、当時は話も半分くらいはわからなかったんですね。
また、著者さんには大学で先生をされている方も多いのですが、連絡はメールだと失礼なのではないかとか、そんな基本的な付き合い方にも頭を悩ませました。すべてが手探り状態で、当時は本当にストレスMAXでした。
試行錯誤しながらなんとか本が完成し、ようやく販売にこぎつけるわけですが。さらに、次の闘いが。福祉・介護系ジャンルには、やっぱりそこを得意としている出版社があるんです。せっかくの新刊。書店のよい場所に置いてもらいたくても、気を抜くと、うちの本はすぐに隅っこに追いやられます。
大きな書店さんでは棚(ジャンル)によって担当の方が違うために、新参者で知名度も実績もゼロの弊社の本は、よい場所の確保がなかなか難しいんですね。かといって、目立たないところに置かれたり、すぐに返品されたりしたら、売れるはずもありません。
書店に本をチェックしに行っては、弊社の営業担当に
「新刊なのに、○○の書店に1冊しか置いてなかったよ」
「○○の書店では、目立たないところにあるから、もう少し目立たせてほしい」
なんて、いちいち細かく伝えて面倒をかけました。弊社営業も、本当に大変だったと思います。
幾多の苦労を乗り越えて、福祉教科書シリーズは、今年で改訂3回目を迎えました。少しずつ改良したりアイテムを増やしたりして、歩みは遅いですが成果も上がりつつあります。
こちらの福祉教科書シリーズは、比較的大きめの書店に置いてあります。もし見かけることがありましたら、手に取ってみていただけたらうれしいです。
ozawa