資格取得のための勉強って、言ってみれば典型的な「詰め込み教育」ですよね。「勉強したってさ、会社で使うわけじゃないじゃん」とサボる言い訳を中学生がするがごとく、知識を詰め込むこと、資格を取得することに意義を見いだせない方は少なからずいらっしゃると思います。
「資格を持っていても、業務のできない人がいるんだよね」という声もよく聞きました。たしかに、実務に活きなければ価値は認めにくいと思います。
でも……いいじゃないですか、詰め込みで。むしろ、こんな時代だから、詰め込みはますます重要!ワタシはそう思って、ITエンジニア向けの資格学習書(あんな本やこんな本)を制作しています。
詰め込み重要のよい例が、Oracle Databaseのスキルを認定する「ORACLE MASTER」や、VMware仮想化環境のスキルを認定する「VCP」といった、プラットフォーム製品を対象とした資格たち。
運用に際して、バックアップを当初から計画・実施する方は多いと思いますが、リカバリまで実施あるいは経験することは“まれ”ではないでしょうか。すぐには必要でないことを勉強するのは、誰でもおっくうなもの。ですが、障害発生時までリカバリの経験はおろか、知識すら持っていないようでは完全にお手上げ、業務は完全停止です。
資格を取得するには、こうした普段使用しない機能についても知識を詰め込まなければなりません。これがいいんです。学習すべき対象や目標だって自分で考えて決める必要はなく、資格のほうから決めてくれます。それも、網羅的かつスキルレベルに合わせて。なんて便利なのでしょう!
また、急速に市場が拡大しているAndroidアプリの開発者については、こんな話を聞きました。「Androidアプリ開発も分業制が進み、アプリケーションフレームワークの構造や動作の基本的な仕組みなどを知らないまま、開発をしている方が増えています。今の業務をこなしている間はよいのですが、自分で企画やプロジェクトを立ち上げるときに立ち往生です」
Androidアプリ開発のスキルを認定する資格に「Androidアプリケーション技術者認定試験」があります。現在はベーシックレベルの試験が実施されていますが、合格するには、Androidアプリケーションフレームワークと各種ツールをひととおり、理解しなければなりません。
翔泳社の学習書に寄せられたAmazon.co.jpのレビューにも、バージョンの更新が速いAndroidだからこそ基礎知識を早めに学んだほうがよいですよ、というコメントがあります。これも、詰め込みの大切さをおっしゃっているのだと思います。
日常業務で身につけた技術の“裏打ち”として、またスキル補完計画として、資格取得はぜひぜひオススメしたいです。季節もまもなく春ですし。
いちご