地域で生活するには自信がない
今回の法改正によって、新たなサービスが追加されることになりました。その一つが自立生活援助です。
障害者総合支援法では、安心して地域生活ができるように様々な制度、サービスが準備されていますが、それでも医療機関や施設から地域へ移されることに戸惑ってしまう方は少なくありません。
施設や病院のスタッフから見て「この人なら十分生活できる」と判断して「地域に出てみないかい?」と声をかけても、なかなか頷いてくれない。また、当初の力になったとしても、少し経つと「やっぱり、本当に生活ができるのだろうか」と自信を持てず、結果として、医療機関や施設など本人にとって「安心」「安全」な場所での生活を続けてしまうことが多いのが実情です。
安心して生活を続けていくためのサービス
保護された環境から外に出る、ということは、はたから見れば「社会復帰の第一歩」と素晴らしいことのように見えるでしょう。しかし、当の本人たちからすれば、長期にわたって医療機関、施設での生活を続けてきたことによって、そこでの生活に慣れてしまっています。
また、長期間の入院、入所生活によって、社会制度や地域は大きく変わっていることがほとんどです。自分の知っている「社会」と違う社会に飛び出すということは、とても勇気のいることで、単純に生活できる能力があるから、社会の中で生活できるわけではありません。
また、逆に外に出たいと思っているものの、生活能力が多少低く、そのせいで一人暮らしは無理だと外での生活をあきらめている人も少なくありません。
今回創設される自立生活援助は、そのような人達が安心して地域生活を続けることができるよう設定されたものなのです。
これならわかる〈スッキリ図解〉障害者総合支援法 第2版
著者:鈴木裕介、遠山真世 編集:二本柳覚
発売日:2018年1月31日(水)
価格:1,944円(税込)
本書について
本書は専門職として制度について知っておくべき人、サービス事業者、相談支援専門員、医療職、自治体福祉関係者のほかにも、利用者本人や家族、障害者を支援する企業の担当者、申請をサポートする士業、福祉を勉強する学生さんなどにとっても、制度の概要や利用方法についてスッキリわかる一冊となっています。