画期的な企画づくりのコツとは? −『プロジェクト・デザイン・パターン』井庭崇×梶原文生インタビュー|翔泳社の本

画期的な企画づくりのコツとは? −『プロジェクト・デザイン・パターン』井庭崇×梶原文生インタビュー

2016/04/27 08:45

 オリジナリティがある画期的な企画のつくり方を、「買ってみる」「自分なりの引き出し」「ダメ事例の研究」など誰でも使えるコツとしてまとめたのが、翔泳社が刊行した『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』です。本書は建築プロデューサーとしてさまざまなプロジェクトを成功させてきた梶原文生さんの経験則を、パターン・ランゲージの研究者である井庭崇さんが一般化してまとめたもの。今回、お二人に本書のつくり方と活用方法について伺いました。

多くの組織が「やり方」の共有に悩んでいる

――本書『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』の第二部は、梶原さんによる体験談の「ストーリー」が語られ、その経験則を「パターン」としてまとめた「プロジェクト・デザイン・パターン」が解説されるという構成になっています。非常に特徴的だと思いますが、本書はどのようなきっかけで制作されたのでしょうか。

井庭:梶原さんはUDS株式会社で、CLASKAや代々木VILLAGEなど、多数の魅力的な空間の企画をつくり、実現されてきました。本書を執筆することになったのは、梶原さんの企画の発想法や、よい企画を継続的につくる秘訣を社内のメンバーに伝えるとともに、企画に関わる、あるいは関わろうとしている多くの人に共有したいというお話があったからです。そこで、井庭研究室のメンバーとともに、梶原さんの「企画のコツ」の経験則を抽出し、パターン・ランゲージの方法でまとめました。

 本書では、梶原さんの経験談のストーリーが全体に流れていて、それらの間に、「企画のコツ」の「パターン」が解説されるという構成になっています。梶原さんがこれまでどのような考え方で企画を立ててきたのかを、事例を交えたストーリーとして読みながら、それを単に梶原さんのこととして終わらせるのではなく、読者が自分自身のものにするためのまとめとしてパターンが紹介されます。梶原さんの秘訣が、一般化した記述でまとめられることで、自分に取り入れやすくなっているのです。

 そして、それらの秘訣のひとつひとつに、名前がつけられています。この本には、32個の秘訣(パターン)が紹介されているのですが、それはつまり、「企画のコツ」について語るための新しい言葉が32個手に入るということです。これは個人で使うこともできますし、他の人との会話で使うこともできます。それが、秘訣のパターンを「ランゲージ」としてまとめた、ということ意味なのです。

井庭崇さん
井庭崇さん
慶應義塾大学 総合政策学部 准教授/博士(政策・メディア)
株式会社クリエイティブシフト 代表取締役社長

梶原:井庭さんはパターン・ランゲージを専門にされていますが、これは1970年代に建築家のクリストファー・アレグザンダーが提唱した理論です。彼の著書『パタン・ランゲージ』は私が社会人になった頃に使った本で、とても役に立ったんです。

 本書をつくりたいと思ったのは、私の中国出張が増え、社内でのコミュニケーションが不足し、私が培ってきた企画のコツを社員に伝えづらくなったと感じていたことがきっかけです。また、お付き合いのある企業を見渡してみれば、実は私と同じような課題を抱えている方が非常に多いことにも気がつきました。とある企業に本書をお送りしたところ、自社の理念やノウハウをもとに同じタイプの本をつくりたいというお話をいただくこともありました。

 「やり方」の抽象的な言葉はあるけれど、それをさらに具体的にして共有することができないのだと思います。だから企画の都度、事例を探してきて、企画をつくるテクニックがないなかで戦っています。個人のスキルが高くてクリエイティブはよくても、会社全体としては社員の企画力がまちまちなので、クライアントが設定するハードルをなかなか超えられないんですね。

梶原文生さん
梶原文生さん
UDS株式会社 代表取締役会長
立命館大学大学院 客員教授、東北大学大学院 非常勤講師

マイニング・インタビューで相手の考え・経験を掘り下げていく

――梶原さんの考えや経験をもとに、井庭さんがパターンを書き起こしたのが本書だと思いますが、ぜひ具体的な制作手法について教えてください。

井庭:パターンをつくるにあたっては、「マイニング・インタビュー」という、パターン・ランゲージをつくるための特殊なインタビュー方法によって、梶原さんの経験を掘り下げました。マイニングというのは、「採掘する」「掘り出す」という意味です。

 マイニング・インタビューでは、まず、何を大切だと考えているかを尋ね、その後、それがなぜ大切だと思うのかを訊いていきます。今回の梶原さんのインタビューでも、「企画をつくろうという後輩や新人に対して、何が大切だと伝えたいですか?」と問うことから始めました。

 そこで語られた大切なことについて、「それはなぜ大切なのですか?」「それをしないとどうなってしまうのですか?」「それはどんな問題を回避・解決することになるのですか?」というようなことを訊いていきます。それから、「それは、どういうときに必要なのですか?」と質問していきます。そうやって、ひとつひとつ掘り下げていくのです。大切なことというのはひとつではなく、大小含めていくつも出てくるものなので、それらを次々に掘り下げ、芋づる式に掘り出していきます。

 パターンの記述では、どのような「状況」でどのような「問題」が生じやすく、それをどう「解決」すると、どのような「結果」になるのかという、「状況」「問題」「解決」「結果」という順で書かれています。でも、マイニング・インタビューでは「解決」にあたる部分から聞いて、それはどんな「問題」を回避・解決するためなのか、そしてそれはどんな「状況」で生じるのかというように、逆の順番で聞いていきます。

 そうやって、パターンをつくるための情報を集め、それらをまとめるプロセスを経て、ひとつひとつのパターンに育てていきます。インタビューで得た情報がそのままパターンになるわけではなく、それらを半年くらいかけて整理・洗練させて、32個のパターンとしてまとめました。

 本書では、梶原さんのストーリーの直後に、それをまとめた3つのパターンが来るという構成になっていて、とても読みやすくなっていると思います。これを読むと、まるで梶原さんの短いストーリーから、それをさらっとパターンの記述でまとめたように見えると思いますが、実はここは、ちょっと複雑なプロセスでつくられています。

 梶原さんへのマイニング・インタビューから得られた情報をもとに、パターン・ランゲージをつくるいくつものステップを経て32パターンにまとめ、そのあとに改めて、それぞれのパターンについて梶原さんに経験談を語っていただいたものが、ストーリーとして収録されています。一見するとわかりませんが、実はそういう手の込んだつくり方をしているのです。 あと、この本をつくったときの工夫としては、それぞれのパターンは、梶原さんの空間デザインの経験から出たものですが、建築以外の幅広い分野の企画に活用しやすいように、言葉づかいも工夫しています。

梶原:井庭さんにまとめていただいた言葉はどれも気に入っていますが、実際に私が使っている言葉ではないものもけっこうあります。もちろん近い言葉は使っているんです。しかし、より分かりやすく、伝わりやすい表現にしていただいて感激しています。

井庭:例えば、パターンNo.2の「買ってみる」は、梶原さんの言葉では「エンドユーザーになる」でした。建築やシステムの分野では、エンドユーザーという言葉は使いますが、分野が変わると「エンド」であるところが強調されても馴染まないことがあります。このパターンは、単に「ユーザーの視点にたつ」ということではなく、実際に買ってみるということが重要なので、パターン名では「買ってみる」という言葉にしました。実際、僕が梶原さんのお話で最も衝撃を受けたのは、マンションの企画をつくるために実際に分譲マンションを「買ってみる」ことまでやった、という点でしたから。

理念と現場のギャップを埋める「中空の言葉」をもつということ

井庭:創業者や突き抜けた企画者が、自分の考え方や経験を語る本や記事はときどきありますが、それはあくまでも具体的な事例と不可分なかたちになっていると思います。本書が新しいタイプのまとめ方をしていると評価されているのは、梶原さんの具体的な考え方や経験が詰まっているものでありながら、パターンとして他の人に使えるかたちでまとめる、という両方の面を併せ持っているという点です。

梶原:どんな企業でも創業者の理念があり、いまの社員はそれを参考に仕事をしているでしょう。しかし、そこには抽象的な言葉が並んでいるだけで、具体的に現場でどうすればいいのか分かりません。理念を現場に落とし込むテクニックがないんですよ。本書は、理念と現場の間を埋めるものなんです。

井庭:本書では、それを中空の言葉と呼んでいます。理念と現場のギャップを埋める、いわば中空の言葉がないので、理念を実現するために自分で考えて行動することが難しいのです。理念と現場の距離が遠いからです。そのような状況で、いきなり若い世代に向かって「君たちの若いセンスで考えてくれ」と言っても、理念を踏まえつつ具体的にどう考えればよいのかはわからず、困惑するだけです。そういうとき、本書を活用しながら、企画をつくるとはどういうことかなのかを共有し、語り合ってみてほしいのです。

ダメ事例を研究して、企画を練り上げる

――32個あるコツのうち、特におすすめのコツはどれでしょうか。

井庭:僕自身も参考になったのが、パターンNo.6の「自分なりの引き出し」です。誰でも情報は集めていると思いますが、実は整理や分類の仕方が重要になります。でも、例えば写真を集めたときに、たいてい「食べ物」「レストラン」「空間」というように一般的な概念で分類してしまいます。そうではなくて、「魅力的な空間」「使ってみたい技術」など、のちの発想に活かしやすいようなラベルで整理するとよい、というのがこのパターンの言っていることです。そうやって自分の引き出しをつくっていくというコツは、あらゆる分野で参考になると思います。

梶原:私がおすすめするのはパターンNo.9の「ダメ事例の研究」です。普通はいい事例を探すことが多いと思いますが、ダメな事例こそ研究して、その理由を紐解いていくことが大切です。私自身ダメ事例からいろんなものを見出してきました。良いものを見るとその物真似になってしまうことがありますが、ダメ事例を研究していくと本質が見えてきたり、また違う視点で企画を考えることができるようになるんですよ。 

井庭:日ごろメディアで紹介されるものは基本的に良い事例でしょうから、そういうものだけでなく、実際に自分で足を運んだり買ったりして見極めることが必要ですね。

梶原:もちろん誰しもダメなものをつくろうとしてつくっているわけではありません。能力がない場合にはそもそもその仕事を与えられていないはずです。能力があって、必死に考えてつくっているのにダメになってしまう理由は何なのか、それを探るんですよ。初めはよくても、時間が経つとダメになる事例もたくさんあります。自分の企画が一度組みあがった時点で、ダメ事例を研究して、その企画を再度考え、検証するようにしています。

井庭:最近僕が自分の会社で取り入れ始めたのは、パターンNo.15の「考えるための点数化」です。これまでも項目を挙げてリストをつくって考えてはいましたが、このパターンのように、項目に点数をつけて、その総合点を見ながら個々の見直をしたり話し合ったりするということは、やっていませんでした。このパターンはすぐにでき、いままでにない議論ができました。

梶原:UDSは中国に法人があり、社内旅行に行くことになったときに、この方法で旅行先を選んだんですよ。楽しい、安い、仕事に役立つなどの項目があって、みんなで点数をつけていって行き先を決めました。全員の納得があっての決定になりました。

 私たちはコンピュータと違って解析能力が高くなく、なんとなく解析して、なんとなく判断しているので、全員の同意が取れないことが多いのです。ですが、点数化することで価値が明確になるので、同意も納得も生まれ、さらに検証もできるようになります。私は自分がよいと思ったものの点数が低かったら、すぐには納得せず、なぜそうなったのか理由を考えます(笑)。そうすることで、点数が低いものによりよい要素を付け加えていくことができるんです。

井庭:点数をつけて、単に点数の高いものを採用するということではなく、自分たちの感覚をいったん外化して、出てきた数値と自分の感覚とを行ったり来たりすることで、理解が深まっていくというところが、実に興味深いところです。

梶原:若い人たちはよくも悪くも押しが強くなく、自分の意見を相手に納得させられないことがあります。そのとき、意見に点数がつけられていると、その点数の理由を説明できますから、説得のためのよい武器になるのかなと思います。点数が高ければいいわけではないので、そこは勘違いしないようにしていただきたいですね。

井庭:自分の曖昧な感覚をあえて数字で表し、「右脳と左脳のスイッチ」を切り替えながら、感性とロジックを行ったり来たりすることで考えていく、という秘訣、これはとても実践的で使えますよ。

一点だけで勝負しなくてもいい

井庭:また、パターンNo.27の「自分なりの強み」は、自分の強みを一つだけ特化させるのではなく、いくつかの要素を重ね合わせて自分の強みをつくっていく発想です。同じように、パターンNo.28の「目標にする三人」も、誰か一人をロールモデルにしてその人だけを目標にするというのではなく、三人ぐらいのよいところを組み合わせて自分の目標を設定するという考え方です。

 これらは異なる秘訣ですが、複数のものをうまく重ね合せるという発想をしている点で共通しています。何事でもそうですが、一点だけに集中してそこに向かおうとすると、そこからのズレはすべて逸脱になり、息苦しくなりがちです。ですが、目指すものが三つぐらいのものの複合であると、多様な重ね合わせが考えられるし、それゆえそこから新しく可能性が広がることもあります。よい意味での遊びというか自由度があり、いきいきと、のびのびとすることができるのです。

梶原:実際問題として、普通の人は一点だけで勝負するのは難しいと思うんですよ。デザイン一本で進んでいきたかった私としては、一点勝負できている人が羨ましいです。しかし、それは一部の人だけが可能なことです。デザインという一点にしがみつくこともできましたが、優秀な人と比較すると結局は負けてしまうので、自分の領域を新たにつくって勝負したほうがいいと思い直しました。そのほうが勝ちやすいし、楽しいし、自分らしいだろうと思ったんです。

 無理に一点勝負してストイックにやっていくよりは、自分のいいところをいくつか育てて、かけ合わせていけばいいんです。いまは自分らしさを大事にする人が多いですから、このほうが時代に合っているのではないでしょうか。

井庭:本書を振り返って改めて思うのは、どうやって企画をつくるのかという本でありながら、ほかの人とどうやって一緒にいい仕事をするのか、という本でもあるということです。パターンNo.16の「相談の順番」も、三人くらいに相談する話が出てきます。ほかにも、複数の視点をどう取り入れるのか、他者とどうコラボレーションするのかというパターンもあります。これは梶原さんの大切にしていることであり、そしていま世の中で必要とされていることでもあると思います。

梶原:一人でできたら楽な気がしますが、複数でやったほうがいいものができますし、結果的には楽しいんですよ。

企画はつくり込みすぎず、クライアントと一緒に考える

――他者とのコラボレーションという点では、パターンNo.17の「愛着が生まれる余地」に、はっとさせられました。企画を提案するとき、つくり込みすぎてはいけないとは思いもしませんでした。

井庭:僕も最近これを実践しています。企画を検討するとき、つくり込みすぎていないか確認するんです。なぜなら、クライアントのアイデアを取り入れられるようにしておかないと、こちらですべて完結してしまって、コラボレーションになりませんから。

梶原:誰でも最初は頑張って企画します。自分の100%を振り絞ってつくるわけです。それに対して、クライアントは「悪くない」と言ってくれるんですが、いまいち喜んではもらえないんですよ。私自身、そういうことが何度かあり、クライアントにとっていい企画とはどんなものか考えました。

 もちろん完成度の高い企画が求められているには違いありません。しかし、企画を発注し提案を受ける側だとしても、社内では企画の担当者ですから、自分の思いの入っていない企画には乗り気になれないんですよ。私は住宅をデザインしていたので、そのことは余計に痛感しています。住宅は優れたデザインで住みやすい機能が揃っていればいいと思いがちですが、住む人にとっては自分がつくるのに関わったという愛着がとても重要になります。

 だとすれば、こちらとしてはどうすれば喜んでもらえるのか。私が見出したのは、ある程度はつくり込みつつ、要所は空けておき、そこを相手と一緒に埋めていくという手法です。若い人は最初から100点に近いものをバシっと出してしまうんですが、相手に言わせてあげることも大事です。

井庭:よい表現は、スキマや余白をうまくつくってありますよね。その受け手が入り込める余地があるのです。以前、J-POPの歌詞分析の研究をしたことがあるのますが、多くの人に受け入れられる歌というのは、うまくスキマがつくられていて、自分をそこに入れ込むことができるようにつくられています。だからこそ、それを聴いて自分のことだと思えるし、カラオケで自分のことのように感情移入して歌うことができるのです。うまく「スキマをつくる」と、それが気持ちや思いを引き込むことになるのです。

 企画をつくる側と受ける側が完全に分かれている構図、つまりつくる側がスキのない企画を提案してしまうと、受ける側はその企画を受け入れるか、変えてほしいとお願いするしか、参加の仕方がなくなってしまいます。そして、そこには「自分」が入る余地がないと感じてしまいます。そうではなく、よい形で「余地」を提示できると、みんなでつくっていこう気運が高まります。

 いままでは、プロならプロとしてすべてしっかりつくり込まないといけない、全部やらなくてはいけないという強迫観念が強すぎたのではないかと感じています。しかし、それではもはやうまくいかないということも、なんとなくみんな気づいている。だから、つくる側と受ける側の境界線をあえて曖昧にすることで、企画を一緒につくり上げるということが、これからますます重要になります。これが企画に「愛着の生まれる余地」をつくる、ということです。

「クライアントにも参加してもらえるように《愛着の生まれる余地》として、ここはあえて未定にしておこう。」というように、パターン名を企画づくりの際の共通言語として用いていただければと思います。

パターン・ランゲージはマニュアル化できない分野でこそ威力を発揮する

――パターン・ランゲージはマニュアルとは異なると思いますが、具体的にどう異なるのでしょうか。パターン・ランゲージのメリットを教えてください。

井庭:マニュアルはやるべきことが一律に決まっているときに役立ちますが、私たちが日々直面している物事には、一律にやり方が定義できないことが多くあります。状況に応じて考えるべきこと・やるべきことが違ったり、やり方に多様性があったりするのです。だからといって、「要は、経験と試行錯誤だよ。じゃあ、あとは自分で頑張ってね」というのも、あまりに放任主義であって、適切とは限りません。

 他方、よくよく見てみると、その分野にはうまくやっている人がいるものです。その人なりの経験則をもっていて、状況に合せてその時々でよい結果をうまく生み出している。それらの経験則はマニュアル化することはできないのですが、どうにかして共有することはできないものでしょうか?パターン・ランゲージで目指しているのはまさにそういうことで、本書も、マニュアル化できない「企画のコツ」を、なんとか、みなさんと共有しようという試みなのです。

 本書で紹介されるパターンは、ゆるやかにつながって全体を構成しています。最初から最後まで一気に読んで、その体系を感じることもできますし、「5分だけちょっと読もう」と、そのとき開いたページを読むという読み方もできます。そして、実際に自分が企画をつくるときに、いくつかのコツを組み合わせて使ってみます。そうすることで、徐々に企画のコツを自分なりに身につけることができるようになります。

 ぜひみなさんに活用していただいて、よい企画をつくってほしいと思います。この本がきっかけとなって、素敵な企画が生まれたり、新しい企画づくりのよりよいコミュニケーションが生まれたりするならば、本書を書いた甲斐があるというものです。

井庭崇さん、梶原文生さん
プロジェクト・デザイン・パターン

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プロジェクト・デザイン・パターン
企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32

著者:井庭崇、梶原文生
発売日:2016年4月1日(金)
価格:2,376円(税込)

本書について

何十から何百にのぼるプロジェクトの経験則を言語化し、その共通パターンをあぶり出して名前を付けるパターン・ランゲージの手法を用い、企画を立てる際に意識すべきポイントを32個のパターンにまとめ紹介しています。