伝えたいことを全部書き出してから短くまとめる
自己紹介でも作品紹介でも、あれもこれも書こうと思うあまり、何が言いたいのかわからない長文になってしまうことがあります。読む気を削がないように、なるべく簡潔にまとめてみましょう。
コツは、はじめに伝えたい内容をすべて書いてからシェイプアップすること。書かなくても伝わるところは削除して、本当に伝えたいことだけを残します。自己紹介の出展歴、受賞歴などは箇条書きにまとめると見やすいでしょう。
また同じ表現が重なっていないか? 同じ文末が続いて読みにくくなっていないか? なども確認しましょう。同じ文章でも、文節を短くするとテンポが良くなり、読みやすくなります。最後の仕上げとして、適度に改行を使って視覚的に読みやすくしてください。
商品内容を5W1Hで考えて商品名を決める
たとえば「毛糸で編んだ帽子」を例に考えてみます。お客様が探すのに使いそうなキーワードとして考えられるのは「毛糸、ニット、帽子、手編み」です。これを考慮した商品名は「毛糸で手編みしたニット帽子」となります。
しかし、これでは「商品内容がわかるように」という観点では情報が不足していますし、毛糸とニットなど同じような内容が重複していてムダがあります。こんなときには、商品内容を5W1Hで考えてみます。
What | 何を売るのか? | 帽子 |
Who | 誰に売るのか? | 女性 |
When | いつ使うのか? | 冬 |
Where | どこで使うのか? | 散歩 |
Why | どうして使うのか? | 防寒として |
How | どのようなものなのか? | 赤色の毛糸でフリーサイズ |
これらを商品名に反映すると、「防寒対策として冬の散歩に最適! 毛糸で手編みしたニット帽子 女性用・赤色・フリーサイズ」となります。でもこれだと長すぎてかえって魅力や特徴が伝わりにくい印象です。ここから手を加えます。
まず、検索と内容説明に必要ないと思われるキーワードを商品名から削除します。「防寒対策、女性用、フリーサイズ、冬の散歩に最適!」は商品説明に記載することにします。次に素材感やデザインを考えて商品名に加えます。色やサイズなどは記号を付けた後に記載して見やすくしてみます。
「手編みでふわふわ ニット帽子*レッド*フリーサイズ」
もちろんどれが正解ということはありません。いくつか考えてみて最もしっくりいく商品名にしてください。
検索ヒット数や関連検索でキーワードを探す
検索需要があるキーワードを見つける方法は三つあります。
一つ目の方法は、知人に自分の作品を見せて「この商品を探すときにどんなキーワードで検索する?」と聞くことです。この場合には数人に聞いて統計を取ってください。多く出てきたキーワードが、検索需要のあるキーワードといえます。たとえば「ニットの帽子」でも「ニット」「毛糸」「手編み」など表現方法は複数思い浮かびますが、どれが一番使う人の多い言葉なのか、リサーチするわけです。
二つ目の方法は、実際にGoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジン、Amazonなどのネットショップで思い当たるキーワードで検索してみることです。検索にヒットした件数の多いほうが一般的な表現といえます。
三つ目の方法は、気になる言葉をSNSでハッシュタグとして検索することです。ヒット数やどんな内容が出てくるのかを確認し、有用なものを探しましょう。
また、検索の際に表示される「関連検索ワード」も参考になります。その商品とは直接関係のないキーワードも表示されますが、その言葉がどのように捉えられ、関連づけられているのか知ることができます。
「商品を買うと手に入るすてきな暮らし」を見せる
商品説明や写真では、シチュエーション(使っている感)を見せることが有効です。鞄なら手に持っている写真、ジュエリーなら身に付けている写真です。お客様は、使っている自分を想像できるので、購買意欲を刺激されます。
ここで考えるべきなのは「あなたの商品があったら、日々の暮らしにどのようなしあわせがプラスされますか?」という点です。ファッションアイテムなら雑誌のようなおしゃれな着こなし、食器ならカフェのようなすてきな食卓、子どもグッズなら子どもの笑顔……といった具合です。
物語を考えるように、あなたの作品から生まれるしあわせなストーリーを紡ぎましょう。
価格にあった売り場を選ぶ
学校のバザーでひとつ2万円の指輪があったら、あなたはどう感じますか? 高いと感じる人が多いのではないでしょうか? でも百貨店のアクセサリー売り場で同じような指輪が2万円で売られていたら、高くは感じなかったりします。このように物の値段は売られる場所によって印象が変わります。
百貨店に行くとき、人は高級でも良い物を求めて出かけますし、バザーでは良いものが安く入手できるかも、と考えます。それはネット上でも同様で、高くても良い物はこのサイトで、激安品はこのショップで探す……といった行動を取っています。
ですから、あなたの作品を高く売りたいのなら、そのブランドイメージを損なわないショップで販売しましょう。また、ショップによって集まる人が求めているものが異なります。自分の未来のお客様はどこにいるのかを、トライ&エラーをしながら見極めましょう。
運用ルールを決めて、アカウントの色をはっきりさせる
ある人気イラストレーターさんは、1日1枚イラストを描いてInstagramにアップする、というルールで更新を続けています。膨大な情報からアカウントを際立たせて見せ、さらにはフォローしてもらうには、作品の個性はもちろんですが、それを情報として意識し、定期的に継続して発信し続けることが大切なのです。その継続性が、アカウント=あなたの色、個性となります。
何種類かのSNSを使うなら、それぞれ使う目的を決めてルールを設定します。Instagramは作品写真を見せるギャラリー、Facebookはアーカイブ用、ブログでは制作工程やこだわりを文章中心で伝え、Twitterではフォロワーとの交流と新作情報を……といった具合です。
SNSの使い分けに関しては、下記も参考にしてみてください。
◆六つのSNSを使いこなせますか? アパレルメーカーのハニーズが成功させたSNS戦略を知りたい(MarkeZine)
そしてルールを決めたら、結果が出るまで続けること。ルールから外れた投稿をしないことが大切です。1年続けてみましょう。そこで結果がでなければ、ルールを見直してみても良いでしょう。
今回参考にした『ハンドメイドで夢をかなえる 本気で売るために実践すること100』では、他にも大事なノウハウを紹介していますので、気になる方はぜひ手に取ってみてください。
ハンドメイドで夢をかなえる
本気で売るために実践すること100
著者:田中正志
発売日:2016年11月1日(火)
価格:1,598円(税込)
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