山形 浩生 翻訳
山形 浩生 原著
守岡 桜 翻訳
守岡 桜 原著
Dan Verton 著
本書は現代のアメリカで、インターネットのアンダーグラウンドに足を踏み入れてしまった、ティーン・ハッカーたちの実生活の物語です。登場するティーンエイジャーたちはセキュリティ分野で功成り名を挙げたハッカーではありません(Nlogの作者であるHDムーア[第8章]あたりは例外でしょう)。ほとんどが、ふとしたことからスクリプトを使ったウェブ改ざんにハマってしまったようなごく普通の少年たちです。
どこにでもいる少年が、なぜそもそもハッキングに手を出したのか? どんな成長過程を過ごしたのか? ハッキングにどんどんのめりこんでいった内的/外的な要因は何だったのか? そしてその結果として何を見つけたのか? 詳細な取材によって、これまであまり顧みられることの無かった「アメリカのごく普通のコンピュータオタク」の実像が、興味深い8つのストーリーにまとめられています。
本書を通して、安易に「ハッカー」とひとくくりにされがちな少年が抱えているさまざまな葛藤、そして現代の平均的なアメリカ家庭に広がるいくつかの問題を垣間見ることができます。その意味では、疲労した「アメリカ」の姿をティーン・ハッカーという側面から切り出したノンフィクションとも言えるでしょう。
第1章 「ジェノサイド」:コロンバインからハッキングへ
電気も電話も水道もない、アラスカの小さな木造の掘っ立て小屋で育った「ジェノサイド」は、やがてハッカー集団を組織して、FBIに目をつけられることになる。
第2章 反乱:ジョー・マギーと「Noid」
ジョーとノイドは両極端に正反対な10代を過ごしたが、どちらも家にあったビデオデッキを発端として、コンピュータハッキングとクラックのキャリアを築いた。
第3章 マフィアボーイを探せ:クレイモア作戦
崩壊した家族環境の産物であり、たった1人で最高級のIT企業群に十億ドル以上の損害を与えたマフィアボーイ。FBIとカナダ連邦警察は遂に彼を追いつめた。
第4章 2人のスクリプト小僧:Pr0metheus とExplotion
怒れる「古典的なスクリプト小僧」が2人いた。どちらもまともな理由ではない。Pr0metheusはサタンの弟子であり、Explotionには内的なシステムへの怒りがあった。
第5章 悩めるハッカー集団:World of Hell
近年最も悪名高いウェブサイト書き換え集団である「World of Hell」。彼らはどうやって群れをなし、いかに才能豊かで、そしていかに苦しみ、葛藤したのか。
第6章 サイバーシック:スターラ・ピュアハート
DefConの倫理的ハッキングコンテストで女性として初めて入賞した15歳のアンナ・ムーア。彼女は洗練と倫理的ふるまいの輝く見本でもある。
第7章 らしくない善玉ハッカー:ウィリー・ゴンザレス
ウィリーは人生初期に孤独なアウトサイダーとして過ごし、逃避のためにハッキングに手を出したが、手遅れになる前にダークサイドから歩み去る勇気があった。
第8章 ティンカー・ティーン・ハッカー・スパイ:HDムーアの物語
13歳でハッキングを始め、ストリートギャングとつるんで不良のレッテルを貼られたHDは、20歳でデジタルディフェンス社の重要メンバーになっていた。
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シャム さん
2017-06-10
アメリカの十代の子供達がハッカーになる経緯が詳しく書かれていた。ハッカーになるのは根暗でオタクな子だけではなく、学校に通いスポーツもするような普通の子もなるのだ。 自分はパソコンに詳しくないので、子供達の好奇心に尊敬した。
ぽんちょ さん
2011-01-03
★★ 未成年ハッカーについて書かれている
hata2 さん
2013-02-10
未成年ハッカーの生態についての本かと思ったら、アメリカ社会の一側面についての本だったと思う。