酒井 泰介 翻訳
酒井 泰介 原著
Al Ries 著
Jack Trout 著
本書は、近代ドイツの名将であり戦略家として名高いクラウゼヴィッツの『戦争論』を、世界第一級のマーケティング戦略家が数々の「マーケティング戦争」に重ねて、常勝へ導く「4つの戦略」の奥義を諭す。
定番書としてゆるぎない地位を確立した本書は、最新の事例を盛り込み、刊行20周年記念版となって登場!
序章 マーケティングは戦争である
今日のマーケティングの真の本質は、顧客に奉仕することではない。
競争相手よりも、うまくやり、巧みに側面攻撃し、戦いに打ち勝つことである。
マーケティングとは要するに、敵は競争相手で、顧客が戦場である戦争なのだ。
第1章 戦争の二五〇〇年
世界のさまざまな戦争からマーケティング人が学ぶことは、たくさんある。
第2章 兵力の原則
クラウゼヴィッツの第一原則は、戦力集結の原則だ。
大きな魚は小さな魚を食い物にする。大軍は数で劣る軍を食い物にする。
マーケティングも同じだ。大会社が中小企業を食い物にするのだ。
第3章 防御の優位性
クラウゼヴィッツの第二原則は、防衛有利の原則だ。
しっかりと塹壕にこもっている敵に戦いを挑む司令官はいない。
それなのに、守りをしっかりと固めている敵に戦いを挑むマーケティング司令官の、なんと多いことか。
多くのマーケティング司令官は、バラクラバのカーディガン将軍やゲティスバーグのリー将軍に似て、高地を占めている競争相手に対して不十分な戦力で積極攻撃を仕掛けようとする。
第4章 新たなる競争時代
マーケティング用語には軍隊用語からの借り物が多い。
軍事司令官の言動を真似しようともする。
やらないのは、彼らのように考え、計画することだけだ。
いまや、軍事戦略の原則をマーケティング作戦に応用し、勝率を高めるときだ。
第5章 戦場の性格
マーケティング戦争はドラッグストアやスーパーマーケットの棚などのような、物理的な場所で戦われるものではない。
デトロイトやダラスのような街で行なわれるものでもない。
見込み客の心の中で争われるものだ。心が戦場なのだ。
それは扱いにくい、そして理解しにくい場所である。
第6章 戦略の象限
マーケティング戦争の戦法は四種類ある。
そして、どの戦法を選ぶかは、まず何よりも大切な決断である。
その戦略は、あらゆる製品にもサービスにも応用できる戦略象限の、どこにポジションを取るかによる。
第7章 防衛線の原則
防衛線は、市場リーダーのためだけにある戦法だ。
これには従うべき原則が三つあり、最も意外なのは、敵ではなく自分を攻撃すべきことだ。
第8章 積極攻撃の原則
積極攻撃は、その分野でナンバー2か3の企業のための戦法である。
鍵となるのは、リーダーの強みに潜む弱みを見つけて、そこを叩くことだ。
第9章 側面攻撃の原則
マーケティング戦法で最も革新的なものは、側面攻撃だ。
これまで長い歴史を通じて、マーケティングの大勝利はたいてい、側面攻撃によって達成されてきた。
第10章 ゲリラ戦の原則
マーケティング戦争のほとんどのプレーヤーは、ゲリラになるべきだ。
小さな企業も、大会社のマネなどしようとしなければ、大きく成功できる。
第11章 コーラ戦争
ペプシコーラは、宿敵コカ・コーラとのコーラ戦争に勝った。
その要因のひとつは、コークが戦略的優位性をうまく使ってこなかったからだ。
第12章 ビール戦争
ビール業界は、無数の地方醸造所から一握りの全国企業への統合整理の渦中にある。
小さな会社はいまこそ戦力を集結すべきだが、むしろ逆をやっている。
第13章 ハンバーガー戦争
ハンバーガー業界は相変わらずマクドナルドが支配し続けているが、バーガーキングとウェンディーズはマーケティング戦争の古典的原則のいくつかを使って前進している。
第14章 コンピュータ戦争
ビッグ・ブルーことIBMのようにマーケティング戦争を戦える者はいない。
だがIBMでさえ、自らの陣地でないところに出れば、一敗地にまみれることもある。
第15章 戦略と戦術
構造が機能のためにあるように、戦略は戦術に従うべきだ。
すなわち、戦略的結果を達成することが、戦略の究極かつ唯一の目標なのである。
戦略はボトムアップで練られるべきであり、トップダウンで考えるものではない。
効果的な戦略を編み出せるのは、戦場の現状を深く、直感的に理解できる将軍のみである。
第16章 マーケティング司令官
今日の企業に必要なのは、戦場の司令官だ。
総合的なマーケティング計画を立てたり、指揮する責任を進んで引き受ける人々が求められている。
未来のマーケティング司令官に何より必要な資質は、柔軟性、勇気、そして大胆さだ。
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ジンターカ橋 さん
2015-05-22
基本はケースバイケース。しかし歴史に学べば一定の傾向は見えてくる。あとは自分がどのように分析し決断を下すか。という風に解釈しました。
Yasuhisa Ishikawa さん
2011-10-15
この本は、マーケティングのツールや分析を紹介したものではなく「競争の原理」を説明した本です。 こういう原理、原則っていうのは、時代が変わっても通用する考え方なので、しっかりと身につけたいところ。 ただ、内容は世界の戦争の歴史と、企業競争の歴史を中心に語っているので、海外企業の歴史をよく知らないと、なかなかしっくりこない。
サル さん
2013-05-01
大学1年のお気に入り本