本園 明史 著
本書の読者には、一度は要求定義で「苦しんだ」ことがあるマネジャーや要求定義の担当者を想定しています。本書には数多くの先達の経験と知恵が蓄積されています。過去を踏まえ、問題意識を持って要求定義に望もうとするエンジニアには、実践的かつ有効な現場の行動のヒントを提供できるのではないかと思います。もちろん初心者の方にも、「こういう世界がある」ということを理解していただくにはよいでしょう。ただし基本的に本書は、一度は要求定義の経験のある方の実戦サポートを目的としています。
第1部 要求定義で徹夜できるか~要求定義をめぐる論理と心構え~
第1章 あなたの要求定義は、なぜうまくいかないのか
要求定義の本質としての難しさ
アプローチの問題
第2章 要求定義で徹夜できるか
要求定義作業の心構え
護身の心構え
第2部 要求定義における主要な10の問題~問題の分析と予防策
第3章 問題へのアプローチ
原因の考察について
予防策の検討について
治療法の検討について
問題同士の関係について
第4章 問題1 いつの間にか膨張する仕様
症例:タイムリミットを過ぎても要求が確定しない
原因と予防策の一例
治療のためのヒント~膨張してしまった仕様にどう対応するか~
第5章 問題2 追加変更要求の発生
症例:顧客からの追加要求がいつまでたっても減らない
原因と予防策の一例
治療のためのヒント~発生してしまった追加変更要求にどう対応するか~
第6章 問題3 要求の誤解と的はずれの理解
症例:顧客の要求通りにしたつもりが、大幅な変更を余儀なくされた
原因と予防策の一例
治療のためのヒント~要求の誤解と的はずれの理解にどう対応するか~
第7章 問題4 非現実的な要求
症例:無茶な要求を突きつける百戦錬磨の顧客
原因と予防策の一例
治療のためのヒント~顧客の非現実的な要求にどう対応するか~
第8章 問題5 なかなか決まらない仕様
症例:仕様を決めてくれない顧客
原因と予防策の一例
治療のためのヒント~仕様がなかなか決まらないときにどう対応するか~
第9章 問題6 顧客内部での意見の相違
症例:仕様の取りまとめに開発側も協力したが、意見の対立が解消されない
原因と予防策の一例
治療のためのヒント~顧客内部で意見の相違がある場合にどう対応するか~
第10章 問題7 非協力的な顧客
症例:多忙で丸投げ体質の顧客
原因と予防策の一例
治療のためのヒント~顧客が非協力的である場合にどう対応するか~
第11章 問題8 実現手段への過度の関心
症例:要求定義よりも技術を重視する顧客
原因と予防策の一例
治療のためのヒント~顧客の関心が目的ではなく手段に向いている場合にどう対応するか~
第12章 問題9 分析・設計への引継ぎの困難さ
症例:顧客の要求が開発者にうまく伝わらない
原因と予防策の一例
治療のためのヒント~分析・設計チームへの引継ぎに困難を感じる場合にどう対応するか~
第13章 問題10 低い顧客満足度
症例:出来の良いシステムを知っているためになかなか満足しない顧客
原因と予防策の一例
治療のためのヒント~顧客満足が得られない場合にどう対応するか~
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ひとしろっく さん
2020-03-14
SEなら誰でも経験のある、要求仕様が増える、顧客との認識違い等の要求定義に関する問題ついて、原因と対策案を記載した一冊。本書の解決策には矛盾するものもある。それは原因と対策がプロジェクト毎に異なるためである。この中から自分のプロジェクトにあった解決策を選んだり、プロジェクトに合わせてブラッシュアップしていくのはSEの腕の見せ所。
ぶれんだ さん
2011-05-02
とにかく会話をすることが大事ですね。
just-older さん
2013-11-09
これもチェックリストとして使えます。うーん、もっと読みやすく理解しやすいレイアウトだと本当にいいのだけれど。