竹政 昭利 著
坂尾 栄治 著
原 幹 著
青木 幹雄 著
高見 亮 著
本書はIFRS(国際財務報告基準書)を、社内の会計システムに適用する際の指南書です。IFRSは国際的に定められる新しい会計基準で、日本でもIFRSに対応した会計報告書の提出を義務付ける方針が示されています。
本書は、会社の会計システムをIFRS対応にする担当者(情シス)の方のために「IFRSとは何か」から始めて、システム対応のポイントを具体的に説明します。ITコンサルなどを主な業務とするプロの会計士さんたちのノウハウで、どこまで対応するのか(あるいは対応しなくていいのか)の指針を示す実践解説書です。
IFRS対応を始めるシステムユーザーやSlerの方の傍らに置いていただける、一冊となっています。
はじめに
第1章 IFRS入門
1.1 なぜIFRSなのか
1.1.1 なぜ今IFRSが騒がれるのか
1.2 IFRSとは何か
1.2.1 IFRSの定義
1.2.2 IFRSの読み方
1.2.3 IFRSの作成プロセス
1.3 IFRSの体系
1.3.1 IFRSの構成要素
1.3.2 IFRSの体系
1.4 IFRS導入の現状とロードマップ
1.4.1 各国の動向
1.4.2 日本のロードマップ
1.4.3 コンバージェンスとアドプション
1.4.4 コンバージェンスのロードマップ
1.5 IFRSの特徴
1.5.1 原則主義
1.5.2 資産負債アプローチ
1.5.3 公正価値
1.5.4 連結重視
1.5.5 フレームワーク
1.5.6 ムービングターゲット
1.5.7 1事象1基準
1.6 IFRSの今後
1.6.1 IFRSの基準改訂の動向
1.6.2 米国の動向と日本
第2章 IFRSとシステム対応のポイント
2.1 会計業務と会計システム
2.1.1 会計業務の基本
2.1.2 単体会計と連結会計
2.1.3 会計システムの基本
2.1.4 会計システムのデータ:仕訳と勘定科目
2.1.5 会計システムと連携するシステム
2.2 IFRSで会計システムはどう変わるのか
2.2.1 IFRSが会計システムに与える影響
2.2.2 対応方針:正面からいくか、最低限でいくか
2.2.3 会計業務プロセスのシステム化範囲の切り分け
2.2.4 パッケージかカスタムか:構築方針の選択
2.3 IFRSをシステム化するときのポイント
2.3.1 「拡張性」と「汎用性」
2.3.2 勘定科目コードの統合・標準化
2.3.3 仕訳データの関連づけ
2.3.4 仕訳のマルチスタンダード対応
2.3.5 過年度遡及修正
2.3.6 開示対応
2.3.7 多言語対応
2.3.8 マネジメントアプローチへの対応
2.4 情報システムのIFRS対応ロードマップ
2.4.1 コンバージェンスへの対応
2.4.2 アドプションへの対応
第3章 総整理 IFRS基準
3.1 はじめに
3.2 財務諸表
3.2.1 財政状態計算書
3.2.2 包括利益計算書
3.2.3 所有者持分変動計算書
3.2.4 キャッシュフロー計算書
3.3 連結財務諸表、持分法
3.3.1 連結範囲と連結手続
3.3.2 会計方針の統一・決算日の統一
3.3.3 関連会社への投資(持分法)
3.4 企業結合、ジョイントベンチャー
3.4.1 企業結合の会計処理
3.4.2 のれんの会計処理
3.4.3 企業結合の開示項目
3.4.4 ジョイントベンチャー
3.5 棚卸資産
3.5.1 棚卸資産の測定
3.5.2 借入費用の資産計上
3.6 有形固定資産
3.6.1 有形固定資産の取得原価
3.6.2 有形固定資産の評価
3.6.3 有形固定資産の減価償却
3.6.4 有形固定資産の開示内容
3.6.5 投資不動産の会計処理
3.7 無形資産
3.7.1 自己創設無形資産
3.7.2 無形資産の評価
3.7.3 無形資産の減価償却
3.8 リース
3.8.1 リース取引の定義
3.8.2 借手の財務諸表におけるリース
3.8.3 貸手の財務諸表におけるリース
3.8.4 セール・アンド・リースバック取引
3.8.5 リース取引の開示項目
3.9 資産の減損
3.9.1 減損損失の計上手順
3.9.2 減損損失の開示項目
3.9.3 売却目的で保有する固定資産
3.10 金融商品
3.10.1 金融資産・金融負債・資本性金融商品
3.10.2 金融資産・金融負債の会計処理
3.10.3 資本性金融商品
3.10.4 ヘッジ会計
3.10.5 金融商品の開示項目
3.11 引当金・偶発債務
3.11.1 引当金の計上要件
3.11.2 従業員給付
3.12 ストックオプション
3.12.1 株式報酬取引の分類
3.12.2 株式報酬取引の会計処理
3.13.3 株式報酬取引の開示項目
3.13 収益
3.13.1 収益
3.13.2 工事契約
3.14 法人所得税
3.14.1 法人所得税に関連する資産、負債 4
3.14.2 財務諸表上の表示
3.14.3 繰延税金資産の計上額の制限
3.15 外貨換算
3.15.1 機能通貨と外貨建取引の換算
3.16 会計方針の変更、初度適用
3.16.1 国際財務報告基準の初度適用
3.16.2 初度適用における例外規定
3.16.3 会計方針、会計上の見積りの変更、誤謬の取り扱い
3.17 セグメント情報の開示
3.17.1 事業セグメントの決定
3.17.2 セグメント注記の開示項目
3.18 その他注記関連
3.18.1 関連当事者に関する情報
3.18.2 後発事象の開示
3.18.3 1株当たり利益の開示
3.19 中間財務報告
3.19.1 中間財務報告書
3.19.2 選択された説明的注記
第4章 業務アプリケーションごとの対応ポイント
4.1 はじめに
4.2 会計システム
4.2.1 機能要件
4.2.2 開示部分
4.2.3 キャッシュフロー計算書作成
4.2.4 連結財務諸表作成
4.2.5 その他
4.3 販売管理システム
4.3.1 機能要件
4.3.2 物品販売における検収基準の導入
4.3.3 複合要素契約のある収益認識
4.4 在庫管理システム
4.4.1 機能要件
4.4.2 検収基準における棚卸資産認識
4.4.3 原価算定方法における個別法対応
4.4.4 低価法における洗替法の適用
4.5 固定資産管理システム
4.5.1 台帳管理の二重化
4.5.2 減損の戻入への対応
第5章 IFRSへのモデルによるアプローチ
5.1 ビジネスの“デッサン”の必要性
5.1.1 IFRSとモデル
5.1.2 会計基準理解の共有
5.1.3 ビジネスをとらえる
5.1.4 人も含めたシステム
5.1.5 多面的な「見える化」
5.2 業務レベルからシステムレベルモデルへの変換
5.2.1 ビジネスの“デッサン”におけるモデル例
5.2.2 業務フローのレベル
5.3 段階的アプローチ
5.3.1 各社に適したアーキテクチャの選択
5.3.2 ステップアップ可能なアーキテクチャ
5.4 ビジネスの“デッサン”の例
5.4.1 問題記述
5.4.2 リソースの把握
5.4.3 業務プロセスの把握
5.5 まとめ
付録 参考資料
A.1 我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)
A.2 IFRS基準・解釈指針等の体系および適用時期一覧
索引
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