本書は、学生や新人研修後の若手技術者など、これから開発プロジェクトに携わる方々に向けた「システム開発の実践的な入門書」です。新人研修を終えた若手技術者たちは、開発現場に配属され、研修で得た知識を手掛かりに、多くの先輩の指導を受けながら様々なシステムを開発していきます。
本書では、このような先輩技術者の知見を基に、実際のシステム開発で遭遇する可能性の高い27の課題を取り上げ、その解決までの過程を実例に沿った形で解説していきます。開発プロジェクトに参加する際の心構えや基礎知識、開発の各工程で行なうべき作業や勘所、課題とその対処方法など、システム開発の流れと要点について総合的に学習できます。学生や新人・若手技術者の方にはシステム開発の指南書として、中堅技術者の方には復習教材として、ご活用いただきたい一冊です。
はじめに(本書の位置づけ)
課題解決に至るまでの道のり
第1章 プロジェクトに参加する準備
1.1 システム開発の心構え
システム開発における7つの心構え
1.2 プロジェクトの現状
要件定義書とシステム提案書
プロジェクトの実施体制
プロジェクトの進捗状況
第2章 開発現場で必要な基礎知識
2.1 開発のポイント
ソフトウェア開発が難しい理由
2.2 開発プロセス
ウォータフォール型開発プロセス
2.3 要求分析、要求定義、要件分析、要件定義の重要性
要求と要件の違い
要求分析、要求定義、要件分析、要件定義のポイント
2.4 要求分析の手法
CATWOEで業務を捉える例
非機能要求の分析
2.5 設計手法
構造化設計
オブジェクト指向設計
2.6 QCDの意味と開発管理手法
品質管理の手法
見積りの手法
進捗管理の手法
第3章 開発計画
3.1 開発計画とは
3.2 課題1 線表作成
線表の分析
課題1 線表作成の解説
3.3 課題2 品質管理単位
課題2 品質管理単位の解説
3.4 課題3 ライン数とステップ数
課題3 ライン数とステップ数の解説
第4章 要件定義
4.1 要件定義工程の概要
4.2 課題4 ヒアリングで顧客に何を聞くか
課題4 ヒアリングで顧客に何を聞くかの解説
4.3 課題5 仕様が確定しない
課題5 仕様が確定しないの解説
4.4 課題6 顧客との約束
課題6 顧客との約束の解説
第5章 外部設計
5.1 外部設計工程の概要
5.2 課題7 開発遅延
課題7 開発遅延の解説
5.3 課題8 開発管理手法の違い
課題8 開発管理手法の違いの解説
5.4 課題9 ソフトウェアの構造
課題9 ソフトウェアの構造の解説
5.5 課題10 システムインタフェース
課題10 システムインタフェースの解説
5.6 課題11 外部設計書の記述範囲
課題11 外部設計書の記述範囲の解説
5.7 課題12 外部設計書のレビュー
課題12 外部設計書のレビューの解説
第6章 内部設計
6.1 内部設計の概要
6.2 課題13 内部設計工程の分担
課題13 内部設計工程の分担の解説
6.3 課題14 内部設計書の作成方法
課題14 内部設計書の作成方法の解説
6.4 課題15 内部設計工程の進め方
課題15 内部設計工程の進め方の解説
第7章 製造
7.1 製造工程の概要
7.2 課題16 コードクローン
課題16 コードクローンの解説
7.3 課題17 単体テスト
課題17 単体テストの解説
第8章 結合テスト、総合テスト
8.1 テスト工程の概要
ブラックボックステストの手法
8.2 課題18 テスト計画
課題18 テスト計画の解説
8.3 課題19 障害処理票(バグ票)の処理
課題19 障害処理票(バグ票)の処理の解説
8.4 課題20 顧客との交渉
課題20 顧客との交渉の解説
第9章 受入テスト
9.1 受入テストの概要
9.2 課題21 限られた時間での受入テスト
課題21 限られた時間での受入テストの解説
9.3 課題22 大量アクセスのテスト環境を作ることができない
課題22 大量アクセスのテスト環境を作ることができないの解説
第10 章 品質管理
10.1 品質管理の概要
10.2 課題23 バグ累積曲線
課題23 バグ累積曲線の解説
10.3 課題24 品質評価
課題24 品質評価の解説
10.4 課題25 ~ 27 あえて方針から外れる「くずし」の方法
課題25 オブジェクト指向くずし
課題26 構造化くずし
課題25 データベースの正規化くずし
課題25 ~ 27 あえて方針から外れる「くずし」の方法の解説
終わりに(システム開発を振り返って)
人間の意識の特性の問題
プロジェクトマネージャになるために
INDEX
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naoan さん
2017-04-16
☆☆ 開発工程を図を用いながら簡単に解説している。図表が多く対話形式なので気軽に読める。あたりまえに思える内容が多くて本質的ではない気がするが、それでも一連の流れや用語の理解に役立つので、なんとなく工程を知りたい人にいいと思う。
ライクロフト さん
2016-05-01
前作の続きというか、開発計画から受入テスト、品質管理まで、開発現場により着目した内容(かぶってるところも多い)。たしかに新人には必須の知識だけど、基本情報以上実務以下くらいの難易度なので、もうちょっと欲張ってほしい気がする。発行が少し古いので、ウォーターフォールベースなのは仕方ないのかな。
kuma-kichi さん
2012-08-15
悪くはない。悪くはないんだけど、これが開発現場の実体化、というと必ずしもそうではない。前作「ずっとうけたかったソフトウェアエンジニアリングの新人研修」の構成を引き継いているのでしょうがないのかも。