日々増大するデータを確実に保護することは、企業の情報システムを守る担当者の方にとっては切実かつ重要な任務となっています。さらに、複雑化が進む今日の情報システムのなかで、バックアップ/リカバリー環境に頭を抱えている担当者の方も多いのが実情です。本書は、企業の情報システムを管理するためのソフトウェアで世界的なシェアを誇る「Tivoli」を使ったバックアップ/リカバリーの入門書です。今回は、企業の情報システムを守る上でもっとも初歩的なバックアップ/リカバリー操作を「Tivoli Storage Manager(TSM)」を使って学びます。
第1部 基礎編
第1章 爆発的なデータの増加に備えたバックアップの重要性1.1 企業情報システムを取り巻く環境
1.2 ストレージ管理者へのプレッシャー
2.1 バックアップの基礎
(1)バックアップ・ソフトウェアの意義
(2)バックアップ用記録媒体の選択
(3)バックアップとアーカイブ
2.2 バックアップ・ソフトウェアの現在
(1)ビッグデータ対応
(2)サーバー仮想化対応
(3)災害対策
(4)統合管理機能
2.3 進化を続けるTSM
(1)TSMの歩み
(2)TSMファミリー製品
3.1 アーキテクチャー
3.2 広範なサポート環境
3.3 主要機能
(1)バックアップ/リストア
(2)アーカイブ/リトリーブ
(3)マイグレーション/リコール
3.4 TSMのバックアップ形態
(1)ローカル& LAN 環境
(2)SAN 環境
(3)NAS 環境
(4)VMware 環境
3.5 柔軟なポリシー定義
(1)ポリシー管理
(2)ポリシー・ドメイン
(3)ポリシー・セット
(4)管理クラス
(5)コピー・グループ
(6)ストレージ・オブジェクト
(7)TSM管理オブジェクト
3.6 プログレッシブ・インクリメンタル・バックアップ
(1)プログレッシブ・インクリメンタル・バックアップの特徴
(2)プログレッシブ・インクリメンタル・バックアップのポイント
(3)ジャーナル・ベース・バックアップ
(4)サブファイル・バックアップ
3.7 イメージ・バックアップ
3.8 仮想環境のバックアップ
(1)仮想環境のバックアップ方式
(2)VMware におけるバックアップ方式
(3)Microsoft Hyper-V におけるバックアップ方式
3.9 TSM バックアップ・データの階層保管
(1)階層保管
(2)同時複製
3.10 空き領域の再利用(レクラメーション)
3.11 データ重複排除
(1)データ重複排除とは
(2)TSMによるサーバー重複排除
(3)TSMによるクライアント重複排除
(4)TSM重複排除のまとめ
(5)TSMによるさまざまなバックアップ容量削減方式のまとめ
3.12 災害対策のための遠隔地保管
(1)バックアップ・セット
(2)災害時回復管理
(3)バックアップ・データの遠隔地複製
3.13 バックアップ・データの暗号化
(1)クライアントでの暗号化
(2)テープ装置での暗号化
第2 部 実践編
第4 章 設計項目と設計例(キャパシティー・サイジング)4.1 本章の説明範囲
4.2 データ・バックアップの要件
(1)バックアップ対象データの特定
(2) どの時点まで復元するか̶̶目標復旧時点(RPO:Recovery Point Objective)
(3)バックアップに割ける時間̶̶バックアップ・ウィンドウ
(4) データの復元に要する時間̶̶目標復旧時間(RTO:Recovery Time Objective)
(5)その他の要件
4.3 設計項目と設計時の考慮点
(1)バックアップ機能とアーカイブ機能
(2)増分バックアップ
(3)イメージ・バックアップ
(4)保管世代数と保管日数
(5)レクラメーションの必要性
(6)管理クラスの割り当て
(7)ストレージ・プールの割り当て
(8)バックアップ総容量、必要なストレージ容量の見積もり
(9)バックアップ時間の見積もり
(10)使用するストレージ
(11)TSM DB とLOG の容量見積もりおよび配置
(12)バックアップなどの起動方法および処理の開始時刻
(13)運用に必要となるバッチ・プログラム
(14)TSM処理結果の確認
(15)TSM DB のバックアップ
4.4 TSM設計例
(1)増分バックアップのみ
(2)イメージ・バックアップのみ
(3)イメージ・バックアップと増分バックアップの併用
(4)複数のバックアップ要件がある場合
5.1 本章の説明範囲
5.2 バックアップ・アーカイブ・クライアントの登録
(1)クローズ登録
5.3 バックアップ出力先に関する定義
(1)テープ・ライブラリーの定義
(2)テープ・ドライブの定義
(3)装置クラス(デバイス・クラス)の定義
(4)ストレージ・プールの定義
(5)テープ・ボリュームの定義
5.4 管理クラスの更新
(1)TSMの管理体系
(2)管理クラスとコピー・グループ
(3)管理クラスの割り当て方法
(4)TSM導入時の設定内容
(5)バックアップ出力先の変更
(6)現在の設定内容の確認
(7)コピー・グループの更新
(8)変更内容の反映
5.5 バックアップ/ アーカイブの取得
(1)バックアップの取得
(2)バックアップ・ファイルの照会
(3)リカバリー
5.6 テープ・ライブラリーを使用する場合の追加作業
(1)チェックイン処理とチェックアウト処理
(2)チェックイン処理
(3)ラベル付けとチェックイン処理を同時に行う場合
(4)チェックアウト処理
5.7 テープ・ボリュームの運用管理
(1)テープ・ボリューム運用の種類
(2)TSMでのテープ管理
(3)プライベート運用でのテープ状態の変化
(4)スクラッチ運用でのテープ状態の変化
5.8 ディスク装置をバックアップ出力先にする設定
(1)ランダム・アクセス・ディスクとして使用する場合
(2)順次アクセス・ディスクとして使用する場合
6.1 本章の説明範囲
6.2 データ保管ポリシー
(1)ポリシーの考え方
(2)バックアップ・ファイルの管理を理解する
(3)アーカイブ・ファイルの管理を理解する
(4)ポリシーの作成例
(5)クライアントとの関連付け
6.3 ユーザー管理
(1)管理者
(2)クライアント・ノード
6.4 サーバー・オプション
(1)サーバー・オプション・ファイル
(2)サーバー設定
6.5 クライアント・オプション
(1)クライアント・オプション・ファイル
6.6 クライアント・オプション・セット
(1)クライアント・オプション・セットの作成
(2) クライアント・ノードとクライアント・オプション・セットの関連付け
(3)クライアント・オプション・セットの削除
7.1 本章の説明範囲
7.2 スケジューリング機能
(1)バックアップ・アーカイブ処理の自動化
(2)スケジューリング処理の状況確認
(3)サーバー・クライアント間のスケジュール・モード
(4)TSM管理コマンドの自動化と実行状況の確認
(5)スクリプトによる自動化
7.3 TSMサーバーの運用と保守
(1)TSM DB のバックアップ
(2)TSM DB バックアップ時の考慮点
(3)重要ファイルのバックアップ
(4)TSM DB のリカバリー手順
(5)TSM DB の容量拡張
(6)レクラメーション
(7)バックアップ・アーカイブ・データの廃棄
(8)バックアップ・アーカイブ・データのコマンドによる削除方法
7.4 バックアップ・データの複製
(1)全バックアップ世代の複製機能―コピー・ストレージ・プール
(2)最新世代の複製機能―活動データ・プール
(3)最新世代の複製をアーカイブする機能―バックアップ・セット
(4)保管データと制御情報を複製する機能―エクスポート
7.5 TSM 運用状況の監視とレポート
(1)TSMのイベント・メッセージ
(2)TSMサーバーの活動状況の確認
(3)監視方法
(4)監視の設定
(5)TSMのレポーティング方法
(6)SQL を使用したレポーティング材料の作成
7.6 問題判別
(1)問題の切り分けに使用する情報
(2)問題判別例―バックアップが失敗
8.1 本章の説明範囲
8.2 導入前の準備
(1)導入するTSMコンポーネントの確認
(2)TSMサーバーおよびクライアントのシステム要件
(3)TSM DB ログ・ファイルの容量見積もり
8.3 TSMサーバーの導入
(1)TSMサーバーのインストール
(2)Windows アカウントおよびディレクトリーの作成
(3)TSM DB の構成
8.4 TSMクライアントの導入
(1)TSMクライアントのインストール
(2)言語パックのインストール
8.5 TSMサーバー/ クライアントの構成
(1)装置構成ウィザード
(2)初期構成ウィザード
(3)クライアント・オプション・ファイル・ウィザード
8.6 TSMクライアントの接続確認
(1)コマンド行クライアントによる接続
(2)Java GUI クライアントによる接続
(3)管理クライアントによる接続
(4)Java GUI クライアントによるバックアップ・リストア確認
内容についてのお問い合わせは、正誤表、追加情報をご確認後に、お送りいただくようお願いいたします。
正誤表、追加情報に掲載されていない書籍内容へのお問い合わせや
その他書籍に関するお問い合わせは、書籍のお問い合わせフォームからお送りください。
本書の書影(表紙画像)をご利用になりたい場合は書影許諾申請フォームから申請をお願いいたします。
書影(表紙画像)以外のご利用については、こちらからお問い合わせください。