Webサービスやスマートデバイスの普及に伴い、ITサービスマネジメントの重要性は日々高まり続けています。また、ITサービスを迅速に提供する目的のもと、“DevOps”といった開発と運用を融合するような視点からも注目を集めています。ITサービスマネジメントを学ぶ人口が年々増えており、その職種も多岐にわたるようになってきました。今後は、その学んだ知識をいかに実践し、現場に生かしていくかが求められています。
本書は、ITサービスマネジメントのフレームワークやベストプラクティスを、いかにして導入すればよいか、現場視点で解説した書籍です。実際の導入事例を通して、どのような点に注意し、どういったことに取り組めばよいか、読者の活動指針が得られる内容になっています。
第1部 フレームワークとの付き合い方
第1章 フレームワークとは何か1.1 フレームワークとフレームワーク・フォレスト
1.2 ITSM関連のフレームワーク
1.3 フレームワークの起源と構成要素
2.1 我々のビジネスを取り巻く環境とフレームワーク
2.2 ITILというフレームワーク
2.3 フレームワークとの付き合い方のパターン
2.4 ストラテジック・フレームワーキング
3.1 ITILを支えるプラクティス
3.2 トランスフォーメーション達成に向けたフレームワーキング
3.3 フレームワークの現在の動向
第2部 導入に成功した各社の取り組み
第4章 継続性を考慮したITサービスマネジメントの構築(1)〜サービスの時代
東京海上日動システムズ株式会社 4.1 サービスとは何か
4.2 「運用」を「ITサービス」と捉える
〜ITサービスを定義し設計する
東京海上日動システムズ株式会社 5.1 フレームワークとの向き合い方
5.2 起点はサービスの見える化とSLA
5.3 サービス設計・構築・テストには開発と運用の連携が不可欠
5.4 非機能要件の定義がサービス設計の鍵
〜今、改めて考えるITサービス継続性
東京海上日動システムズ株式会社 6.1 東京海上日動システムズのITサービス継続性管理
6.2 東日本大震災時のプロセスコントロール
6.3 運用現場のサービス品質を上げるプロセス
6.4 重要性が高まるアウトソーサとの関係を管理する
7.1 ITILサービスマネジメント導入の経緯
7.2 ステップ1:経営者のコミットメントを得る
7.3 ステップ2:マネジメントで必要なマイルストンをプロジェクトに盛り込む
7.4 ステップ3:プロセス構築の第一歩として全体的な情報の流れを整理する
7.5 ステップ4:体系的な人材開発プログラムでリーダーシップを発揮できる人を育てる
7.6 ステップ5:コーポレート・ガバナンスへ組み込む
7.7 ITILサービスマネジメント導入における重要成功要因
7.8 ITILサービスマネジメント導入効果と苦労したこと
7.9 まとめ
8.1 当社の概要
8.2 ITSMS構築プロジェクトの発足
8.3 当社ITSMSの構成
8.4 現場への定着活動
8.5 ITSMS導入による効果
8.6 継続的改善活動
8.7 おわりに
第3部 これからのITサービスマネジメント
第9章 DevOps 〜開発と運用のランデブー9.1 DevOpsとは
9.2 開発方式による変更の特徴
9.3 「DevOps」に対する「従来のIT運用」の課題と短期的な対応要件の整理
9.4 DevOps対応への具体的なアプローチ
9.5 従来のIT運用とDevOps ― 今後の展望
10.1 サービス・ポートフォリオとサービスカタログとは
10.2 サービス・ポートフォリオ、サービスカタログの作成手順
10.3 運営のポイント
10.4 今後の展望
用語集
参考文献
索引
column
セルではなくマトリクス視点を持とう
DevOpsとは
非機能要求グレード
アプリケーションオーナー制度
BYODと運用管理
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じゅん さん
2019-04-30
ITサービスについては資格勉強で学んだ程度しか知識が無いため、なかなかすんなりとは理解することができなかった。しかし、組織の運営を何らかの形で指標化して確実に改善する道筋をつけると言う点では非常にためになった。現業をこなしつつ、この中で紹介されているような改革を進めていくためにはトップから末端までがその意味合いを理解して一時の負担増と不満を受容できるようにすることが何よりも大切であろう。自らの思いつきや経験則だけで変革を進めるようなリーダーにはぜひこういう本を読んでもらいたいものである。
mitojkovic さん
2015-05-08
ITILの活用ノウハウを得るために読了。サービス導入に向けた、サービストランジションを深掘りしたい。
ジキル さん
2014-10-21
導入事例がいろいろあって、ポイントをその時々で読み返したくなると思う。ただ、もうちょっと具体例が欲しい気もする。細かい部分は社外秘というか、その現場に合わせて、自分で考えろということでしょうね。