台湾の町工場として、事業をスタートさせた鴻海は、わずか40年余りで売上高15兆円の企業に成長した。その成長を支えたのは、「PC、ゲーム機、携帯電話、スマートフォンなど成長市場にいち早く目を付けて、アップル、デル、ソニーなどトップシェア企業を顧客にする」「廊下の電灯は間隔を空けて点ける、社員のエレベーター利用を禁止するなど堅実経営の一方で、忘年会の賞金総額は15億円と利益は社員に積極的還元する」「工場を建設しながら出荷する、出荷センターを顧客近くに建設するなど、スピード重視の開発・量産・納品体制を実現」「顧客が受け入れやすい価格帯で売値を決めた後に、それに応じてコストを決定(価格が下がると鴻海のシェアが上がる)」という鴻海の戦略と、「毎朝プールで会社の幹部と仕事の話をしながら業務を始め、1日15時間働く」「ブランドを身に付けず、高級車にも乗らず、身を飾ることにも興味がない」「製品を納期を間に合わせるためには、自ら生産ラインに立って、3日でも徹夜」「議論したいと考えたときには、真夜中でも帰宅した社員を呼び出す」という郭台銘のキャラクターだった。原書にはなかったシャープ買収の裏側も収録。製造業のみならずすべてのビジネスマン必読の一冊!
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スプリント さん
2016-12-31
鴻海の成り立ちを知りたくて本書と手にとりました。 内容は鴻海と創立者郭台銘の礼賛一辺倒で偏っています。 本書だけで鴻海を知ることは難しいですね。 それにしても1年で12件の連続飛び降り自殺とは・・・。
がんばる駄目人間 さん
2021-01-07
【要約】創業した鴻海を世界一のEMS企業にした郭台銘の語録集。台湾の悪環境でコネクター・金型製造を中核技術として極め成長。顧客情報を把握し心を砕き信任され、性能と品質・アフターサービス・徹底したコスト競争力で信頼を得た。コストは高利益率のため時間(省会議)にも着目。信賞必罰の軍隊式規律と失敗を恐れず受け止め修正する実行力で30%/年の成長目標を掲げる。リーダーこそ率先垂範を示し退路を断ち常に学ぶ行動で示す。背水の陣の心構えでなければ淘汰される世でカバーエリアを国外に広げ世界戦略を築きライバルを引き離した
魚の骨 さん
2016-10-24
安田峰俊著の「野心」が読みたかったのですが図書館になかったので、仕方なくこの本を読みました。郭台銘自身が興味深い人物であるのでそこそこ面白かったのですが、時系列を無視して今まで溜めたネットや噂をメモ書きしたものを本にしたという感が否めません。台湾人だから鴻海について掘り下げることが出来ないのか、この著者がレベルが低いのかは判断できませんが、個人的にはシャープ買収で日本人が冷静に評価することができなくなった郭台銘像を台湾人の視点で分析したものを読みたかったです。