細川 義洋 著
なぜ、ITプロジェクトは失敗してしまうのか――
本書は、約10年間、東京地方裁判所でIT紛争を担当する
民事調停委員を務めてきた著者が、その紛争事例を元に、
IT導入の際にのちのち争点になる要因をいかにクリアに
していくかを解説していきます。
法的な紛争にまで達してしまったITトラブル事例を
反面教師としながら、IT導入成功のポイントや工夫、
あるいはそこにおけるユーザの責任を考えていきます。
第I部 役割分担
第1章 要件定義におけるNGワード「現行機能の網羅・踏襲」について考える
第2章 カスタマイズ要件で定義されない機能は現行通り?
第3章 このシステムは完成したのか?自分で見分けられないユーザ
第4章 中途半端なアジャイルが招く危険
第5章 旭川医大事件――プロジェクト管理義務の限界
第6章 プロジェクト管理義務違反とは言うけれど……
第7章 旧システムのデータ不整合に対処する責任はどちらに?
第8章 データ移行におけるユーザ側の協力義務――旧データの理解不足が招く危険
第9章 ユーザ側の責任と協力の重要性
第10章 システム開発の検収におけるユーザの債務
第11章 サーバホスティング事業者に預けたソフトウェアの滅失
第II部 信頼関係
第12章 ベンダに期待だけさせて裏切ったユーザ
第13章 勝手に値引きを期待していたユーザ
第14章 「契約確実」という言葉は信義則違反?
第15章 突然の契約継続拒否に狼狽するベンダ
第16章 不具合を直しきらずに契約解除したベンダ
第III部 他の注視すべきIT紛争
第17章 開発に失敗したらパッケージソフトの代金も返してもらえる?
第18章 人工知能時代の権利争い
第19章 企業のドメインを巡るトラブル――名前を含むドメインの買い取りを要求されたら?
第20章 中途採用した技術者が経歴詐称だった
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