松浦 雅之 翻訳
松浦 雅之 原著
Richard Bode 著
リチャード・ボードがミラマーの浜辺に移り住んで一年が過ぎた。ニューヨークの広告代理店に勤めつづければ百万長者も夢ではなかったが、仕事に充実感はなかった。会社を辞めてフリーランスの物書きとなったボードは、やがて妻とも離婚し、ひとり浜辺で暮らしはじめたのだった。
いまのわたしには、迷いこそが自分の強さだとさえ思える。迷っていればいやでも、みずからのおかれた境遇を見きわめ、慎重に動き、自分の足どりをたしかめて針路を正しながら進んでいかねばならない。わたしにはよって立つべき教条もイデオロギーも、絶対的真実もない。そういう状態と折り合いをつけるまでに、わたしの人生の大半が費やされた。けれどもいったんそれを受け入れてからは、自由に世界を探検し、みずから信じるものを自分自身で見つけだせるようになった。
―本文より
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