John Dickson Carr 著
森 英俊 翻訳
森 英俊 原著
白須 清美 翻訳
白須 清美 原著
美しい女性との結婚を間近に控えたサリニー公爵に届けられた一通の殺人予告。そして婚礼の夜、華やかなカジノの一室で、無惨にも首を切断された公爵の死体が発見される。しかも、公爵以外部屋に出入りした人物はなく、現場は完全な密室状態にあった。あたかも魔物の仕業のごとき怪事件に挑むパリ警察の名探偵バンコランの活躍。デビュー作『夜歩く』の原型となった傑作中篇「グラン・ギニョール」を初出誌から70年ぶりに発掘。戦慄の怪奇譚「悪魔の銃」他、本邦初訳の短篇全3篇と、エッセイ「地上最高のゲーム」(完全版)を併録した、〈不可能犯罪の巨匠〉の輝かしい原点。
森鴎外を評した有名な譬えに《テエベス百門の大都》があります。J・D・カーに至る入口もまた、ひとつではありません。・・・今回の『グラン・ギニョール』は、幾つかの門から、要領よくカーの王国を垣間見られるような作りになっていて、実に楽しく読ませていただきました。表題作もシンプルな形になっているだけに、おどろおどろしさの一方にある、カーの整然たる頭の働きがよく見えて来ます。また、『地上最高のゲーム』冒頭の、いかにも彼らしい高姿勢ぶりには嬉しくなってしまいます。
―北村薫(巻末エッセイより)
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ホームズ さん
2021-01-18
『夜歩く』の原型の『グラン・ギニョール』。長編よりもだいぶすっきりしている。しかしバンコランは相変わらずと言うかめちゃくちゃなのはこの中編の方かな。犯人逮捕の為とはいえ推理披露のところはやり過ぎ(笑)『地上最高のゲーム』を読むとまた色んなミステリーを読みたくなる。
秋良 さん
2017-09-22
時代ががって、ケレン味があって、でも王道の推理ものとして筋が通ってる表題作がやっぱ面白い。
**くま** さん
2014-06-04
短編、中編、エッセイが収録されたマニア本。個人的にはすごく読んでよかった。有名な「夜歩く」の原型である表題作は、もちろん大筋は同じだけど違うところもかなりあり、「夜歩く」を既に読んでる私にもすごく面白かった。あとはデビュー前の短編と、ミステリについて語ったエッセイ「地上最高のゲーム」。このエッセイがすごく良い! 古典ミステリある程度読んでないと話がわからなくてつまらないとは思いますが、古典ファンにはたまらない! クリスティ、クイーンなど有名作家やミステリの歴史についての分析がとても鋭い。文章も読みやすい。