渡会 和子 翻訳
渡会 和子 原著
Damian Thompson 著
人は死という制御できない自然現象から逃れることはできず、その恐怖や不安を希望へと変換できる考え方―「終末思想」「千年王国思想」を確立してきた。しかしそれは、時には宗教主催者の権力誇示のために、またある時には信者獲得のための営業ツールとして、意味合いを少しずつ変えながら利用されてきたのである。終末思想を使う側と、影響を受けてしまう側との間には、どのような人間ドラマが浮かびあがってくるのか。歴史的経緯を含め、現代の世紀末現象や日本のカルト宗教(オウム真理教、幸福の科学)などを通して、終末思想の正体を検証する。
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スプリント さん
2016-02-28
やや難解でしたが楽しめました。キリスト教を中心とした終末思想が時代が移り変わるにつれてどのように変化をしたのか、日本や韓国において終末思想が暴走した文化的背景など取り上げている範囲は幅広いです。
るうるう さん
2021-02-08
とても興味深い。翻訳と校正の問題でわからない部分も多く想像で読んでしまう点が残念だが、それを補って余りある知識や考えを学ぶことができた。原語で読みたいところだが、宗教の知識がないと歯がたたないだろう。日本のオーム真理教を取り上げた章はストレスなく読めた。日本の宗教やオーム真理教について分析が鋭く印象に残った。
hixxxxki さん
2012-05-29
歴史の終わりにおいて、善と悪の戦いが起こり、最終的に悪は滅び、善が勝利するという終末思想。それはゾロアスター教で生まれ、ユダヤ教、キリスト教を経由し、オウム真理教などにまで受け継がれている。終末思想の図式を当てはめることで、十字軍は敵を滅ぼす必要のある悪と決めつけ、大量殺戮へと至ったというのは面白かった。ただ単に異教徒だから殺しまくったわけじゃないんだね。他にも、キリスト教内で生まれた、歴史の終わりに神の国が到来するという考えが、歴史内で神の国が到来するという考えを派生し、進歩という概念に影響を与えたとい