編集として『Linux教科書 LPICレベル2 Version4.0対応』に携わって、実はほとんど苦労話はありません。著者さんはきちんと締切りを守ってくれる方だし、編集組版をお願いしている編プロの方はLinuxに精通していて細かいところまで確認してくれる。
資格そのものの人気を反映して売行きも好調。と、シリーズ立上げ時には苦労もあったでしょうが、それを知らない自分なんかが担当させてもらうのは申し訳ないくらい、優等生の本です。
本書は、今回の改訂で第5版。試験の出題内容はバージョン4.0なのに本が第5版では紛らわしいという声もあって、今回から単に「バージョン4.0対応」という書名表記にしました。
そういえばLPICには、試験の改訂数を表すのに「バージョンいくつ」と「リリースいくつ」という言い方が混在していたややこしい時期がありましたね。今ではバージョン表記に統一されていますが。
LPICは、目標のはっきりした学習しやすい資格試験だと思います。簡単に言えば「どれだけリナックスを使えるようになれるか」を目指して勉強すればよいので、それには実際に使ってみるのがいちばん。
本書でも付録として実習環境を用意していますが、Windowsマシンしか持っていなくてもVirtual Boxという仮想環境でLinuxを実行すると、コマンドプロンプトにコマンドやオプションを入力して実行結果を確認しながら勉強ができます。
本書は試験の出題範囲をフルにカバーしているので、これだけで合格に必要な知識は覚えられるはずです。電車の中ではできないけれど、やはり地道に「手を動かしてみる」のが結局はもっとも効率的なのではないでしょうか。
と思いながら、校正ゲラを読みつつ動作確認しているうちに、だんだん仮想環境では物足りなくなっていくことに気がつきました。もっとダイレクトにLinuxをさわりたい、日常的に使えるようになってみたい、という気になっていくんですねー。
Windows XPのサポートが終了し、スペック的にはまだそんなに古くないXPマシンが中古で安く出回っているので、それを1台手に入れてLinuxをインストールし、それもハードディスクを2つに分けて一方にCentOS、もう一方にはUbuntuを入れて……、などとリナックス使いになることを本気で考え始めている今日この頃です。
とものう