初めてプログラミングを学ぶ人を対象にした入門書『スラスラわかる』シリーズ第6弾の『スラスラわかるPHP』が刊行になりました。
既刊のプログラミング入門書の多くは、よく使う機能やあまり使わない機能をすべて同じトーンで解説していたり、機能解説が中心でどう使えばよいかの説明が少なかったりして、初心者にはすすめにくいものでした。
そこで考えた「初心者が本当に必要なことだけを学び、プログラムを書けるようになる教科書をつくろう!」。これが本シリーズの出発点です。プログラミングの講師や現役プログラマを著者に迎え、「これだけはおぼえてほしい知識と実用的なプログラムの書き方を無理なく学ぶ」ということをシリーズコンセプトとしています。
さて、教科書・入門書というと、どうしてもお勉強モードになりがちですが、本来プログラミングは「楽しい」もの。それを少しでも伝えたくて、本シリーズでは各章の最初に学習のポイントを紹介する4コママンガを入れています。今回は、この制作について少しご紹介します。
1.内容の打ち合わせ
原稿の執筆がほぼ終わった段階で、各章の4コママンガの内容について著者と打ち合わせをします。そして、その内容を編集者がラフに起こして、イラストレータさんに発注するわけです。このラフ(下描き)を起こす――4コマの起承転結・セリフを考える――作業が意外とたいへんなのです。
ところが著者の志田仁美さんは、とても絵心のある方で、打ち合わせの前に次のようなラフ案を描いてくれました。これは第1章「Webアプリケーションの世界へようこそ!」の4コママンガのラフです(なんと!志田さんがノートに描いたものをスキャンして送ってくださったとのこと。ありがたや)。
第1章 4コマラフ案①
とっても上手ですね。ただ少し内容がものたりない気がします。これをふまえて、次のような打ち合わせをしました。
- ・登場人物が多いとわかりにくいので、登場人物は1人に(メインキャラクターの犬のみ)。きびしい場合は2人までにしましょう。
- ・第1章のメインテーマは「Webアプリケーションとインターネット」なので、その要点を入れたいですね。Webアプリケーションの仕組みとPHPとの関連の話を4コマに含めて、各コマに少し補足説明も入れましょう。
2.ラフ案(下描き)の作成
そして、描きなおしてもらったものが次。とっても良い感じ!
第1章 4コマラフ案②
今回は、著者がラフ描きをしてくれたため、担当編集としてはとても楽をさせてもらいました(志田さん、ありがとうございます!)。著者との打ち合わせをもとに、編集者がPPTや手描きでラフ案を作成するというパターンもあります。
3.4コママンガの発注
このラフ案をもとにプロのイラストレータさんに本描きを依頼します。できあがったものが次のとおり。
第1章 4コママンガの完成版
このような流れで、各章の4コママンガを制作していきます。キモとなるラフ案づくりは、こんなにすんなりいくことは少なく、著者の方と「ああしよう、こうしよう」といったやり取りの中で仕上げていくため、とても手間のかかる作業です。そのぶん、どれも面白いものに仕上がっていますので、お楽しみに!
かたおか