4月22日(木)に丸善丸の内本店にて『バリュー・プロポジション・デザイン』刊行記念イベントが行われました。
本書は、30以上の言語で出版された世界的ベストセラー『ビジネスモデル・ジェネレーション』の続編です。その共著者のイヴ・ピニュール氏が来日する貴重な機会とあって、100枚近くあった整理券がイベント前日までにほぼなくなり、当日もほとんど満席の盛況ぶりでした。
会場は丸の内のオフィス街でしたが、30代~40代の中堅ビジネスパーソンの方だけでなく、50代~60代の方、カジュアルな格好の方も数多く参加されていました。組織の意思決定層や、ベンチャー企業・スタートアップの方々かと思いますが、かなり幅広い層に読まれているようでした。
ピニュール氏の講演内容は、一方的に話すスタイルではありません。2008年にアメリカでスタートした、「Airbnb(旅行先で宿泊・休憩場所を探すユーザーと、空き部屋を持つユーザーを繋ぐサービス)」のビジネスモデルを解説した後に、特製のワークシートを配布し、参加者が自分の頭で考えるしかけを用意していました。
講演の途中でジョークを飛ばしたり、参加者に考えさせるワークショップを挟んだりと、飽きさせない工夫を随所に盛り込んでいるのがとても印象的でした。
テンポのよい講演と質疑応答が終わった後には、ピニュール氏にサインをもらうための長蛇の列ができました。時間は限られていたのですが、ピニュール氏はサインだけでなく写真撮影や様々な質問に熱心に応えられていました。
『バリュー・プロポジション・デザイン』は、「顧客が何を求めているのか?」という情報を整理して、価値創造のパターンを「見える化」する方法を紹介した本ですが、「読んで終わり」の本ではありません。
本書で紹介される様々なツールを使い、会社の同僚やビジネスパートナーを巻き込んでいくという「実践」と「情熱」がキモになります。今回の講演は、ツールの具体的な使い方が分かるだけでなく、ピニュール氏の人柄や熱心なプレゼンに触れることで、参加者自身のやる気につながる内容だったと感じました。
余談ですが、この講演会に参加した後、私も顧客(読者)のニーズを分析するためのツールとして、本書で学んだ仕組みを社内で提案することになりました。みなさんもぜひ、実践で生かしてみてください。
こん