奥田 勝己 著
本書は1冊で仕組みと開発手法を体系的に学べる、大規模言語モデル(LLM)を活用したソフトウェア開発の入門書です。
LLMは生成AI時代に欠かせない技術としてソフトウェア開発のあり方を大きく変えつつあり、あらゆる領域で応用可能な「知的エンジン」として進化しています。LangChainなどのフレームワークを用いてRAGを実装したり、マルチエージェントシステムを構築することでLLMの可能性がさらに広がります。
LLMを使いこなすには、Transformerの仕組み、学習プロセス、プロンプトエンジニアリングといった基礎知識を身につけることが欠かせません。本書ではこれらの技術を丁寧に解説し、オープンソースのLlama 3を解説することで、実用LLMをホワイトボックスとして活用できる視点を提供しています。
また、実践的なスキルが身につくようPythonによるコード例を豊富に掲載し、代表的なAPI(OpenAI API、Anthropic API、Gemini API)の利用方法を紹介。LangChainやLangGraphを用いた開発事例を通じて、応用可能なスキルを習得できるよう構成しています。
本書を通じてマルチモーダルLLMの仕組み、LangChainやLangGraphを活用したアプリケーション開発、マルチモーダルRAGやマルチエージェントシステムなどへの展開といった実践手法を身に付けられるでしょう。
【本書に必要なスキルや前提条件】
・Pythonの基本的な文法
・Pythonの環境構築方法
【目次】
第1章 Transformer
第2章 学習
第3章 プロンプトエンジニアリング
第4章 言語モデルAPI
第5章 LLMフレームワーク -LangChain-
第6章 マルチエージェントフレームワーク -LangGraph-
第7章 アプリケーション
Appendix
【著者プロフィール】奥田 勝己(おくだ かつみ)
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 主席研究員。東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。博士(情報理工学)。2023年3月から2年間、マサチューセッツ工科大学(MIT)コンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)にて客員研究員として、LLM(大規模言語モデル)を用いたコード最適化やプログラミング言語技術の研究に従事。企業では、プログラミング言語技術、コンパイラ、および組み込みシステムの研究開発に長年取り組む。その成果は、FA(ファクトリーオートメーション)システムや宇宙システムの高度化など、実際の製品やシステム開発に応用されている。
第1章 Transformer
1.1 言語モデルとは
1.2 色々なLLM
1.3 Transformerの仕組み
1.4 トークナイザ
1.5 トークンのサンプリング手法
第2章 学習
2.1 LLMの学習の概要
2.2 LLMの事前学習
2.3 指示チューニング(Instruction Tuning)
2.4 RLHF(Reinforcement Learning from Human Feedback)
2.5 勾配降下法
2.6 誤差逆伝播法(Backpropagation)
2.7 学習における問題と対策
第3章 プロンプトエンジニアリング
3.1 プロンプトエンジニアリングの重要性
3.2 Zero-Shotプロンプティング
3.3 Few-Shotプロンプティング
3.4 Chain-of-Thought(CoT)プロンプティング
3.5 Self-Consistency(自己整合性)
3.6 プロンプトチェーニング
3.7 RAG(Retrieval Augmented Generation)
3.8 ReAct
3.9 Reflexion
3.10 役割やペルソナの設定
第4章 言語モデルAPI
4.1 会話型APIと補完型API
4.2 各種言語モデルAPIの共通点
4.3 言語モデルAPIごとの使い方
第5章 LLMフレームワーク -LangChain-
5.1 LangChainの概要
5.2 会話モデル
5.3 プロンプトテンプレート
5.4 出力パーサ
5.5 チェーンのためのLCEL
5.6 RAGサポート
5.7 エージェントとツールの利用
第6章 マルチエージェントフレームワーク -LangGraph-
6.1 エージェントとは
6.2 マルチエージェントアーキテクチャ
6.3 LangGraphの基礎
6.4 LangGraphの応用
第7章 アプリケーション
7.1 マルチモーダルRAGチャットボット
7.2 クイズ作成・採点システム
Appendix 学習環境の構築
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