一万年の旅路(ポーラ・アンダーウッド 星川 淳)|翔泳社の本
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一万年の旅路


翻訳

形式:
書籍
発売日:
ISBN:
9784881356074
定価:
2,750(本体2,500円+税10%)
仕様:
A5・568ページ
カテゴリ:
一般書
キーワード:
#生活情報,#芸術その他,#家事・住まい,#ビジネス教養

イロコイ族の系譜をひく女性が未来の世代へ贈る
一万年間語り継がれたモンゴロイドの大いなる旅路

アメリカ大陸に住む、インディアンとも呼ばれるネイティブ・アメリカンの人々は、その昔ベーリング海峡が陸続きたっだころベーリング陸橋をわたり、アジア大陸へ渡ってきたモンゴロイドの子孫だという説が定着しつつある。「一万年の旅路」は、ネイティブアメリカンのイロコイ族に伝わる口承史であり、物語ははるか一万年以上も前、一族が長らく定住していたアジアの地を旅立つ所から始まる。彼らがベーリング陸橋を超え北米大陸にわたり、五大湖のほとりに永住の地を見つけるまでの出来事が緻密に描写され、定説を裏付ける証言となっている。イロコイ族の系譜をひく著者ポーラ・アンダーウッドは、この遺産を継承し、それを次世代に引き継ぐ責任を自ら負い、ネイティブ・アメリカンの知恵を人類共通の財産とするべく英訳出版に踏み切った。

この本をはじめて手にしたときも、それから二年半ほどたって邦訳を終えたいまも、不思議な胸騒ぎがする。ひょっとしたら途方もないものに出会っているのではないかという驚きと、ありうるはずがないという疑い―その二つが入り混じって、なぜか心臓が高鳴るのだ。
―星川淳「訳者あとがき」より

はしがき
はじめに
一つめの主な語り
二つめの主な語り
山の語り三つ
草の大海
はじめの民の子――学びへの多くの道
われらが美しいと名づける川
東の大海
美しい湖
補遺
訳者あとがき

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最終更新日:2024年07月11日
発生刷 ページ数 書籍改訂刷 電子書籍訂正 内容 登録日
1刷 ix
脚注2の左から4行目
星川淳著『環太平洋インナーネット紀行』(NTT出版)第3章を参照のこと。
星川淳著『魂の民主主義』(築地書館)を参照のこと。
2024.07.11
1刷 xviii
「●編年」の最終行
17刷
[イロコイ連邦結成………………………11世紀なかば]
[イロコイ連邦結成………………………12世紀なかば]
2017.01.05
1刷 004
右から6行目
女たちが身につけた
女たちが習得した
2024.07.11
1刷 010
本文の6行目
17刷
世界をめぐって<中つ火>へ
世界をめぐって<中つ地>へ
2017.01.05
1刷 019
左から2行目
子どもたちがたくさん生まれる
子どもたちが健やかに育つ
2024.07.11
1刷 126
右から8行目
苔に覆われた
海藻に覆われた
2024.07.11
1刷 130
左から2行目
17刷
四つの輪に対する<中つ火>と
四つの輪に対する<真ん中の輪>と
2017.01.05
1刷 171
右から4行目
そしてその読みは
そしてその読みは
2024.07.11
1刷 229
左から2行目
一族のところからは、
三人の女たちからは、
2024.07.11
1刷 244
左から3行目
苔で滑る岩や
海藻で滑る岩や
2024.07.11
1刷 263
右から1行目
この知恵とともに年を
この知恵とともに
2024.07.11
1刷 469
右から2行目の後に追加
17刷
「しかし、一番東の国にも真ん中の国にも声はかけまい」
「しかし、一番東の国にも真ん中の国にも声はかけまい」  こうして、一つかみのトウモロコシ以上のものが得られた。 〈西の扉の守り手〉たちは招かれ 彼らの〈身内の民〉の隣に心地よく座った。彼らは敬意をもって遇され、彼らもまた敬意をもって他の民に応じた。やがて〈西の扉〉からの使節団は、外見や物腰の違いにかかわらず、三年ごとの集会の常連となったのだ。  そして時とともに、さらに新しい可能性が開けた。  このように〈西の扉〉が安んぜられたことで、この扉をはさむ双方の国は、みるみる栄えていった。ところが、それぞれの東に接する国々は、暮らしやすさも満足も、この二つの国には及ばなかった。  そしてここから、一つの教訓が生まれた。三年ごとの集いのたびに、〈われらが身内の民〉の方針に対する評価が高まり、学ぶ民こそ栄えることを多くの人たちが理解するようになっていったのである。

一部の訳文が抜けていました。お詫びして訂正いたします。
2行目の後に上記の一節が入ります。こちらにPDFをご用意しました。
2017.01.05
1刷 473
本文の右から1行目
一心に耳を傾けられる
一心に耳を傾けてもらえ
2024.07.11
1刷 499
左から4~3行目
17刷
「われらはいかにして老いを重んずるようになったか」では、導く者とは教える者であるという洞察が示されている。
「われらはいかにして老いを重んずるようになったか」には、教える者としてのリーダーの真の本質が示されている。
2017.01.05
1刷 506
右から5行目
17刷
の時代の言いまわしで
祖父の時代の言いまわしで
2017.01.05
1刷 544
左から8行目
17刷
原書の詩文全体を
原書の詩文体を
2017.01.05

感想・レビュー

ケイ さん

2019-05-05

先住民という言葉を これからは意識して使おう。インディアン達が居留地に向かうための歩みではなく、アフリカから出発してユーラシア大陸を横切り、ベーリング海を越え、北米大陸に来て、その中で移動し、暮らしていく物語だ。考古学的裏付けがある訳ではないが、白人社会の生き方に自分たちも合わせていこうかと話し合ったイロコイから離れ、一族の歴史をなくすまいと決心した1人の女性が残そうとした長いお話だ。彼ら自身も移住者なのだという根拠にされたくないために こういった話があまり語られないのもよくわかる。一気読み。

Gotoran さん

2015-06-27

ネイティヴ・アメリカン[イロコイ族]の血を引き、代々伝わる口承史[一万年の旅路]の継承者(著者)が書籍化したもの。一万年間語り継がれたモンゴロイドの大いなる旅路:一万年前「歩く民」(イロコイ族)がアジアの定住地を旅立ちベーリング陸橋を渡り、五大湖畔に永住地見つけるまでの壮大な叙事詩。その過程では群れの中の個の尊重、他先住民との共存の模索、リーダーシップ等々のエピソードが語られる。人、生き物、大地との繋がり、人間の叡智を感じた。興味深々で、惹き込まれる一気に読んでしまった。

ころこ さん

2019-02-02

ずっと前から読もうと手元に置いておいて最近気づいたのは、アメリカ人がどの様な歴史に回帰していこうとしているかという背景が『サピエンス全史』とそっくりだということです。固有名が徹底的に排除されているため、本書は読み辛いですし、頭に残りません。タイトルからして固有名排除ですし、<>で表現されている恐らく神(多神教のような世界観やおとぎ話のようなエピソードは古事記と似ています)と思われる存在も比喩で表現されています。「歩く民」というのも含めて口承全体が比喩表現で、彼らが辿った旅路も時間のことなのかも知れません。