アートとアルゴリズム
アートは作品、アルゴリズムは問題をかいけつするのに決まった手順のこと。 アートとアルゴリズムでどちらも同じだって言えることってなんだろう? コンピューターはどれくらい速い? 人間のほうがとくいなことって何?
準備
- 長ーい紙を用意して、床にテープで貼ろう。やる子は汚れてもいい服を着てね。――めちゃめちゃになる遊びだから!
- いろんなものを材料にできるよ。絵の具、えんぴつ、マーカーでも、なんでも。
- 何色かの色のセットを用意してね。
- できるなら、このれんしゅうもんだいには二日かけてみて。作品にかさなりの層をつくることができるよ。
- このれんしゅうもんだいは15から20人くらいの子どもが参加できるけど、1-3人でもできる。
れんしゅうもんだいのやり方(大人向けのせつめい)
- まず、子どもたち同士で、どんなアルゴリズムがあるかを話し合います。子どもたちに、「今はみんなコンピューターの役になるんだよ」と説明してください。子どもたちはそれぞれ、自分のアルゴリズムを担当します。
- アルゴリズムの例:点を描く。点のまわりに円を描く。赤いもの同士を線でつなぐ。名前の最初の一文字を書く。二つの色で四角を描く。それぞれの四角の内側に三角を描く。など。
- 子どもたちにペンを選ばせ、紙を広げます。子どものまわりにだいたい紙が等分になるようにしてください。
- 「はじめ」と言ったら、コンピューターのスイッチがついて、子どもたちが絵を描きはじめます。「おわり」といったら子どもたちは描くのをやめて、右に一つずれます。
- 「コンピューター」(子どもたち)に速く描かせたり、ゆっくり描かせたりしてみてください。作品はどのように変わるでしょうか。音楽をBGMに掛けると、速度をコントロールしやすくなります。
- 作品は一日乾かします。次の日に二層目に取り掛かりましょう。
- 子どもたちに、自由にアルゴリズムを考えてもらいましょう。どういう工夫があれば、簡単にアルゴリズムを実行できるかを話し合いましょう。子どもたちに、一人ずつコンピューター役の子を動かす役目をさせてみましょう。子どもが考えたアルゴリズムを他の子に実際にやらせたとき、それはその子が考えたとおりにはならなかったでしょうか? もしそうなら、それはどうしてでしょう?
いっしょに考えよう(大人向け)
- コンピューターが、きっちり同じアルゴリズムの指示を与えられた作品と同じような作品をデジタルで作るのに、どれくらいの時間がかかると思いますか? そんなに長くはかからないです――たぶん、数ナノ秒(10億分の1秒)でしょう。コンピューターは、指示を守って作ることはすごく得意で、しかも高速なのです。この勝負では、コンピューターは人間にいつでも勝ってしまいます。
- 人間ができることはなんでしょう? ゼロから創り出すこと。感じること。解釈することです。
- 子どもに、作品をつくってみてどんなふうに感じたかをたずねてみてください。そして、その感情を認めてあげてください。コンピューターは、そのような本当の「感情」をもつことはできない、ということを説明しましょう。コンピューターには、感情に反応するようにプログラムされることはできます。データベースから作品を分析するコテゃできます。けれど、人間と同じように作品を体験することはできないのです。
アルゴリズムってなに?(大人向け)
アルゴリズムとは、その通りにやれば問題を解決することのできる、決まった手順のことです。プログラミングでは、アルゴリズムは問題に対して再利用できる解法を作り出すのに使われます。たとえば、グーグルやBingなどの検索エンジンは、検索と並べ替えのアルゴリズムを使って、わたしたちに情報を見つけやすくしてくれています。