セキュリティ事故は、日常業務のささいなミスで起こる
「専門部署でもないし、セキュリティ事故は自分には関係ない」と思っている方は多いかもしれません。けれども実際のところ、情報漏えいなどのセキュリティ事故は、業務上の人為的なミスや意識の低さによって起こった事例がほとんどです。
本書は、よくあるセキュリティ事故51事例を漫画で紹介し、それらの事故を防ぐための基本知識や、すぐにできる対策を解説した1冊です。「セミナーの案内の返信先を全員に設定」「USBやバックアップ用DVDをなくした」など、普段の業務で誰にでも起こりうるヒヤッとする事例を中心に紹介します。
各節冒頭には、セキュリティ知識を測るチェックリストも掲載しているので、チェックが多くついた項目から読むのもおすすめです。また、社員のセキュリティ教育にも活用いただけます。営業秘密の漏えいなど大きな損失につながる事故を防ぐためにも、社会人として日常の業務で気をつけるべき点を把握し、しっかり対策しましょう。
●こんな方におすすめ
・セキュリティの基本から知りたい社会人1年目
・新しくSNS担当者になった方
・社員のセキュリティ意識を高めたい情報セキュリティ担当者の方や経営者層
・「セキュリティ対策って会社に任せるものでは?」と思っている会社員の方全般
別の取引先の情報をオンライン会議で映してしまった(本書CASE02より一部抜粋)
▼基本知識を身につけよう
画面共有時に映ると困るものを知っておこう
テレワークが普及し、オンラインで会議をするようになりました。画面を共有できて便利ですが、その表示内容には注意しなければなりません。これは、自社が取り組んでいる仕事を知られてしまい、競合他社に先を越されてしまった事例です。
画面を共有するときには、どのような内容が相手に表示されるのかを考慮し、適切に設定する必要があります。例えば、画面全体を共有しているときに、ファイルを開くためにWindowsのエクスプローラを表示すると、フォルダの構成が見えてしまいます。また、見せるべきでないファイルを開いてしまうと、その中身が表示されてしまいます。
▼解決策
全画面共有と一部を共有する設定を使い分ける
オンライン会議ツールで画面を共有するときは、どの部分が他の人から見えるように設定されているのかを正しく理解しましょう。例えば、Zoomではデスクトップ単位で共有するほかに、アプリごとに開いているファイルだけを共有する方法があります。Google Meetでも、全画面を共有するほか、ウインドウやタブの単位で共有できます。
特定のファイルだけを共有するときは、そのファイルを開いているウインドウだけを共有すれば、他のファイルが相手の画面に表示されることはありません。
■書籍概要
『どうしてこうなった? セキュリティの笑えないミスとその対策51 ちょっとした手違いや知識不足が招いた事故から学ぶITリテラシー』
著者:増井 敏克
発売日:2023年5月24日
定価:1,980円(本体1,800円+税10%)
判型:A5・240ページ
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798180267
全国の書店、ネット書店などでご購入いただけます。
・翔泳社の通販 SEshop: https://www.seshop.com/product/detail/25618
・Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4798180262
■目次
Chapter1 注意不足・誤操作による事故への対策
Chapter2 管理ミスによる事故への対策
Chapter3 紛失・盗難による事故への対策
Chapter4 情報の持ち出しによる事故への対策
Chapter5 日常生活での不安への対策
Chapter6 IT機器やツールを使いこなせず起きた事故への対策
■著者プロフィール
増井 敏克(ますい・としかつ)
増井技術士事務所代表。技術士(情報工学部門)
1979年奈良県生まれ。大阪府立大学大学院修了。テクニカルエンジニア(ネットワーク、情報セキュリティ)、その他情報処理技術者試験にも多数合格。また、ビジネス数学検定 1 級に合格し、公益財団法人日本数学検定協会認定トレーナーとして活動。「ビジネス」×「数学」×「IT」を組み合わせ、コンピュータを「正しく」「効率よく」使うためのスキルアップ支援や、各種ソフトウェアの開発を行っている。
著書に『図解まるわかり セキュリティのしくみ』、『図解まるわかり プログラミングのしくみ』、『図解まるわかり データサイエンスのしくみ』、『IT用語図鑑』、『「技術書」の読書術』『プログラマ脳を鍛える数学パズル』(以上、翔泳社)、『基礎からのWeb開発リテラシー』(技術評論社)、『プログラミング言語図鑑』(ソシム)、『Excelで学び直す数学』(C&R研究所)、『RとPythonで学ぶ統計学入門』(オーム社)などがある。