コンピュータ関連書籍を発行する出版社7社が加盟する「コンピュータ出版販売研究機構(略称:CPU)」では、この度、2019年度におけるコンピュータ書籍の書店別販売実績ランキングを含む、第10回CPU大賞を発表しました。

■ 1.全国書店ランキング(2019年4月~2020年3月の1年間のコンピュータ書籍の販売実績から上位店を表彰)

紀伊國屋書店新宿本店がV4を達成!

【第1位】紀伊國屋書店新宿本店(東京都)(販売冊数75,305冊 前期比98.1%)
【第2位】ジュンク堂書店池袋本店(東京都)(販売冊数67,993冊 前期比98.9%)
【第3位】丸善丸の内本店(東京都)(販売冊数51,641冊 前期比105.2%)

ベスト3はここ数年間で変動はないが、1位の紀伊國屋書店新宿本店、2位のジュンク堂書店池袋本店が前期比を若干落とす中、3位の丸善丸の内本店は今年度も順調に売上を伸長させ、その存在感を高めている(前期比105.2%)。
上位10位以内においては、三省堂書店名古屋本店が好調をキープし、前年7位から5位へ順位を上げている(前期比135.8%)。これに伴う形で、上位ランキングの入れ替わりも見られた。なお、ベスト10位中5店舗が前期比で100%を超える実績を残している。
一方、ベスト100位内においては、前年度を越える実績を残した書店は80店舗(昨年78店舗)で、さらにその中で「2ケタ以上」の伸びを示した書店が23店舗(昨年16店舗)もあった。

全国調査書店(約2,000店)平均前期比が104.7%

特筆すべき点として、集計対象の約2,000店での平均前期比が104.7%と、一昨年に続き100%を越えていることは、昨今、紙版書籍の販売不振と言われる状況の中においては大いにグッドニュースであった。
この高い実績は、CPUが手掛ける「棚分類コード」における各社実績を調べた結果、今後さらに広がりの期待できる「Python(120.7%)」「子どもプログラミング(117.8%)」「情報処理試験(114.6%)」などの7つのジャンルにおいて、前期比110.5%、冊数換算で約12万冊増と大きな伸長があったことが要因と言える。

ジャンル別昨年対比のグラフ



■ 2、CPU大賞書籍部門(全国主要書店のコンピュータ書籍ご担当者147名に投票いただき評価された新刊書籍を表彰)

『1冊ですべて身につくHTML&CSSとWebデザイン入門講座/SBクリエイティブ 刊』
コンピュータ書コーナーでの圧倒的な販売力で、書店売上に大きく貢献。

【第1位】『1冊ですべて身につくHTML&CSSとWebデザイン入門講座/SBクリエイティブ 刊』

▼書店担当者が選んだ理由(抜粋):
「タイトルの通り、1冊で必要なスキルを学ぶことができる入門書としてお薦めしたい書籍」
「Webデザイン入門書として圧倒的な売上であった」
「苦手意識を持たずに、楽しく取り組める1冊」
「Web制作の初心者から最新技術を学びたい人まで満足できる1冊」

【第2位】『ほんとに、フォント。フォントを活かしたデザインレイアウトの本/ソシム 刊』
【第3位】『Kaggleで勝つデータ分析の技術/技術評論社 刊』
【第4位】『できるYoutuber式 Excel現場の教科書/インプレス 刊』
【第5位】『IT用語図鑑/翔泳社 刊』

書籍部門の大賞に輝いた『1冊ですべて身につくHTML&CSSとWebデザイン入門講座/SBクリエイティブ 刊』は、コンピュータ書では定番のテーマ「Webデザイン」の入門書であり、元棚での圧倒的な販売力で、書店売上に大きく貢献したことが評価されての受賞となった。

▼受賞の声/Mana(著者)
Webサイト制作やデザインの楽しさを伝えたく、ブログをはじめたのがちょうど10年前の2010年でした。10年という節目でこのような栄えある賞をお贈りくださり、大変感慨深く、心より感謝申し上げます。
Webサイト制作は覚えることが多い上、その範囲はとても広いです。そんな中で少しでも「できた!」「楽しい!」と感じられる瞬間が見つかるといいなと思い、ひとつの書籍として完成させました。
昨今ではリモートワークという働き方も注目されており、新しいスキルにとWebデザインに興味を持った方も多いでしょう。この本が多くの人の働き方を、Webサイト制作ライフを、変えるきっかけになれれば光栄です。


ここ数年のトレンドであるが、コンピュータ書コーナーはもちろん、芸術書コーナーや話題書コーナー、時には数学書コーナーなどでも展開のできる、ジャンルを跨いだ「越境型書籍」が今年も強い傾向であった。第2位の『ほんとにフォント。フォントを活かしたデザインレイアウトの本/ソシム 刊』はその代表例で、見開きでわかりやすくスッキリしていて非常に見やすい良書との高い評価を得ており、コンピュータ書コーナーおよび芸術書コーナーでの販売増につなげている。
純粋なコンピュータ書という意味では、第3位の『Kaggleで勝つデータ分析の技術/技術評論社 刊』は、2019年コンピュータ書に出てきたキーワードの中でも大きなインパクトがあり、他ジャンル(主に数学書コーナー)で展開しても良く売れ、非常に高い評価を得た。また、ビジネス書コーナーでも展開できるExcel書籍もまだまだ根強く、『できるYoutuber式 Excel現場の教科書/インプレス 刊』が第4位に選ばれた。情報提供の場が、Youtubeに代表される動画サイトでの配信・SNSでの拡散に代わってきつつあり、「本×動画×SNS」で学習できるスタイルが今の時代にピッタリはまり、コンピュータ書の新たな可能性を提供している。
第5位の『IT用語図鑑/翔泳社 刊』も、IT用語を説明した書籍が少ない中で貴重な存在だったこともあり、ビジネス書コーナーでもよく売れ、また、「書店におけるコンピュータ書担当者の必携の書」という現場での高い評価も得ている。
いずれも上位に選ばれた書籍は、コンピュータ書でありながら、PC棚のほか話題書コーナーやビジネス書棚など他ジャンルでの展開も行うことで、幅広い購買者の目に留まったことが売上を伸ばした要因と思われる。また、日々変化していく技術のカテゴリーにいち早く対応し、購買者のニーズに合った書籍が大きく評価されている。

※コンピュータ書籍 書店別 売上ランキングの集計方法および対象期間について
「コンピュータ書籍 書店別 売上ランキング」(2019年度)は、CPU加盟会社7社より提出された売上冊数の合計で算出しています。
各社の売上は各社が独自に集計した売上データです。今回発表した2019年度のランキングは、2019年4月から2020年3月までの1年間を対象としています。この期間中に開店した新規店舗、同じく閉店した店舗については1年間の売上でないことから基本的に除外しています。また、7社の売上データが揃わない店舗や、諸事情により正確な集計ができていないと思われる店舗についても除外しています。

■ 3、CPU大賞書店部門各受賞一覧
〔1〕売上部門:1年間(2019年4月~2020年3月)のコンピュータ書籍の販売実績から上位3書店を表彰
※販売実績はCPU加盟社が独自に集計した売上冊数の合計です。
【第1位】紀伊國屋書店 新宿本店(東京都)販売冊数75,305冊 前期比98.1%
【第2位】ジュンク堂書店 池袋本店(東京都)販売冊数67,993冊 前期比98.9%
【第3位】丸善 丸の内本店(東京都)販売冊数51,641冊 前期比105.2%

〔2〕書店部門:コンピュータ書籍の販売における取り組みにおいて、創意工夫や際立った努力が見られた書店を表彰
・三省堂書店 札幌店(北海道)
・書泉ブックタワー(東京都)
・ACADEMIA港北店(神奈川県)
・ジュンク堂書店 柏モディ店(千葉県)

〔3〕新人部門:フェア開催や情報活用など、コンピュータ書の販売を積極的に取り組んだ新人担当者(コンピュータ書を担当して3年以内)を表彰
・紀伊國屋書店 札幌本店(北海道)
・有隣堂 藤沢店(神奈川県)
・紀伊國屋書店 さいたま新都心店(埼玉県)
・明文堂書店 金沢ビーンズ(石川県)
・未来屋書店 福津店(福岡県)

〔4〕関西支部部門:関西地区のコンピュータ書籍の販売における取り組みにおいて、創意工夫や際立った努力が見られた店舗を表彰
・ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店(大阪府)

〔5〕青年団部門:CPU加盟出版社の商品を積極的に展開/販売いただいた店舗を表彰
・不二屋書店(東京都)

〔6〕功労賞:長年、コンピュータ書の増売に取り組み、CPUの活動と積極的に連携して売上を増進いただいた店舗を表彰
・ジュンク堂書店福岡店(福岡県)


以上


コンピュータ出版販売研究機構について
加盟会社:(株)インプレス、SBクリエイティブ(株)、(株)技術評論社、(株)秀和システム、(株)翔泳社、(株)マイナビ出版、ソシム(株)
※ソシム(株)は、準加盟社として2019年4月1日を以てCPUへ正式加入となり、加盟は上記7社となりました。
ホームページ:http://www.computerbook.jp