朝起きられない子にどう接すればいい?
起立性調節障害(OD)とは、思春期に多い自律神経の不調が原因で起きるからだの病気です。頭痛やめまい、怠さ、朝の起きにくさなどの症状があり、中学生の約10%が発症するといわれています。
朝起きられず昼や夕方から元気になる傾向があるため、家族や周りの人に「怠けている」「やる気がない」と誤解されやすく、不登校の主な原因でもあります。
ODは薬を飲むだけでは治すのが難しく、食事・運動・睡眠などの生活習慣の改善と、親や学校など周囲の理解やサポートがとても大切です。
本書は小児科で長年、起立性調節障害の診療をしてきた著者が、ODの仕組みや治すために親ができることなどについて解説します。食事・運動・睡眠などで気を付けることや家での過ごし方、学校との関わり方のポイントについてまとめました。また、症状が改善してきた時に気を付ける点なども説明しています。
「起きたくないのか、起きられないのかがわからない」「勉強や登校へのモチベーションを取り戻してほしい」といった親の悩みを解消しつつ、子どもの症状の改善を目指すための1冊です。
■書籍概要
『起立性調節障害お悩み解消BOOK 「朝起きられない」子に親ができること!』
著者:吉田 誠司
発売日:2023年7月5日
定価:1,760円(本体1,600円+税10%)
判型:A5・160ページ
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798177076
全国の書店、ネット書店などでご購入いただけます
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・Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4798177075
■目次
Chapter1:起立性調節障害を知ろう
起立性調節障害とは/まずは自律神経の仕組みを理解しよう/ODの症状はどのようにして現れる?/ODの子はどのぐらいいる?/よく似た・併発しやすい病気とは?/起きたくない?起きられない?
Chapter2:「治療のお悩み」はこれで解消!
まずは病院に行ってみよう/子どもが病院に行くのを嫌がるときは?/どうやって診断される?/ODの治療方法とは?/ODにおける「重症」って?/【コラム】漢方薬の使用も考えてみよう/診断書をもらおう/病院に行く前にできることは?/病院を選ぶときのポイント/ODと診断されなかったら…?/ODと診断されたあとは?/【コラム】いろいろな薬の質問に答えました
Chapter3:「家でのお悩み」はこれで解消!
ODの子にとってよい起こし方って?/スケジュールを組んで起きる時間を決めよう/【コラム】どういったときに体調を崩しやすいの?/起きる時間はバラバラでも大丈夫?/食事の際のポイントは?/食欲不振・体重減少…そんなときは?/寝るときは何に気をつけたらいい?/子どもの昼寝はそっとしておいても大丈夫?/睡眠薬は飲んでもいい?/どんな運動をするといいの?/「夜遅くまでゲーム」注意したほうがいい?/ゲームのルールにはどのようなものがある?/なかなか勉強に取り組めない子には?/子どもとの会話で気をつけたいこと/家族内でODへの理解がバラバラなときは?/「子どものため」「自分のため」に大切なこと/子どもが落ち込んでいたら?/【コラム】生活を充実させるための工夫
Chapter4:「学校でのお悩み」はこれで解消!
学校生活とODの関係/登校の目標はどのように立てるのがいい?/学校の先生に理解してもらうためには?/学校の先生が協力的ではない場合は?/「遅刻・欠席の連絡」で大切なこと/学校に行けない?行きたくない?/行事に参加できそうなときは?/行事や外出する際の注意点/学校選びで重要なことは?/受験期の子どもを支えるためには?
Chapter5:起立性調節障害が改善してきたら
治療のゴールと再発って?/ODが改善されてから気をつけるべきこと/【コラム】本書のチェックリスト一覧
■著者プロフィール
吉田誠司(よしだ・せいじ)
大阪医科薬科大学小児科。子どものこころ専門医・指導医。2005年大阪医科大学(現大阪医科薬科大学)卒業。2014年起立性調節障害に関する研究で医学博士号を取得。現在は大阪医科薬科大学病院小児科で心身症外来を担当。日本自律神経学会評議員や日本小児心身医学会理事(ガイドライン統括委員会委員長)も担当している。小児科専門医・指導医や漢方専門医の資格をもつ。テレビ・ラジオで起立性調節障害について解説するほか、監修本に『10代のためのココロとカラダの整え方 自分でできる&ラクになる自律神経コントロール』(メイツ出版)、分担著書に『小児心身医学テキスト』(南江堂)などがある。